ものづくり最前線力晶半導体(パワーチップ・セミコンダクター)機動力でコスト競争勝ち抜き目指す 力晶半導体(パワーチップセミコンダクター=PSC)は、台湾の半導体企業として売上高第6位の大手メーカーだ。三菱電機との緊密な提携を武器に、今年3月に最新の12インチウエハー工場を完成させ、コストメリットの追求によって勝ち残りを目指す。
台湾ハイテクの心臓部・新竹科学工業団地。近代的な工場群が立ち並ぶ一角にPSCの社屋と工場はある。 同社の製造する半導体は現在、80%が汎用DRAM(記憶保持動作が必要な随時書き込み読み出しメモリー)で、残りの20%で顧客の求める特定用途向けのファウンドリーを手がける。 量産を行っている8インチウエハー工場は、面積1.1万平方メートルのクリーンルームに、延べ400人強の作業員が12時間交代で働いている。ウエハーは薄膜形成、回路パターンの作り込み、エッチング、洗浄など、全工程が数百に上り、完成するまでに数カ月かかる。工程のほとんどはオートメーションで、作業員の仕事は、機械の動作確認や、ウエハーの検査などが主だ。月当たりの生産量は4万枚に上る。 PSCは1994年、パソコン周辺機器の力捷電脳(ユーマックス)、三菱電機、兼松の主要3社の出資により発足した。三菱電機から出向してほぼ7年になる小谷秀夫・PSC副社長は、両社の関係を「必要不可分」と表現する。 三菱電機は、PSCの発足当時から同社をアジアの生産拠点と位置付け、全面的に技術を提供してきた。当初は三菱のエンジニア200人が滞在し、半年から1年にわたって各分野の立ち上げ、技術指導を行った。PSCの技術が成熟するとともに、オペレーションは台湾のスタッフに移管したが、技術は線幅0.4ミクロン製造プロセスの時代から、現在の0.13ミクロン製造プロセスに至るまで、8世代にわたって三菱が提供を続けている。三菱は現在、0.1ミクロンの技術開発を進めており、来年後半をめどにPSCの12インチウエハーに導入される予定だ。 現在、三菱電機にとって、同社販売のDRAMの50%以上がPSCからの供給となっている。「関係が強いから無理も利く。三菱と全く同じプロセスのDRAMを、投資無しで手に入れることができる」と、小谷副社長は意義を強調する。
今年3月、三菱の技術をベースに、同社の12インチウエハー工場が完成した。 同工場は台湾の半導体メーカーとしては台湾積体電路製造(TSMC)、聯華電子(UMC)などに続いて4社目だ。 ウエハーは口径を大きくすることで、1チップ当たりのコストを下げることができる。256メガビットDRAMでは、12インチウエハーを用いれば8インチウエハーより、コストは40%ほど下がる。 すでに試験生産を始めており、10月から量産を開始、来年からは月当たりで1万5,000枚を生産する予定だ。 一方、他メーカーも12インチウエハー工場を立ち上げれば、現在の8インチウエハー工場の、相対的な生産コスト増は避けられない。 同社では今後、8インチウエハー工場はファウンドリーに充て、12インチウエハー工場は良品率を上げ、市場の変化に機敏に対応して、生産力を拡充できる体制を整えていく。そして、DRAM市場が好調な時はDRAMに、不調な時はファウンドリーに傾注できるよう機動力のある体制を構築する方針だ。DRAMとファウンドリーの生産比率は半々くらいが理想的という。 台湾のDRAMメーカーは、今後さらに淘汰が進むとみられる。競争の中で最先端の製造プロセスを獲得し続けるメーカーのみが、コストの強みと長期的な競争力を発揮できる。同社は三菱電機との強固な連携によって、まさにそれを実現しようとしているのだ。 [P R] [P R] [P R] |
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