石田久巳さん:Sakura Kiss社長

1971年、大阪府生まれ。独身。趣味は犬の散歩、料理など。プロ意識が強くDJの資本であるのどの健康面にも気を遣っているほか、常に自分を磨くことを大切にしている。

笑顔満載の番組作り、「週末の朝にお耳にかかりましょう」

2005/10/4

石田久巳さん

夜明けの薄明とともにつやのある声が、心地よく耳に飛び込んでくる。学生時代に心を躍らせたラジオ番組のディスクジョッキー(DJ)の口調を回想させる。

週末の早朝にFMラジオ番組「Morning!Kiss(FM101)」のDJ兼プロデューサーを務める石田久巳さんは、バンコク近郊在住の日本・タイ人に耳寄りの情報を2カ国語で発信。「目を擦りながらゴルフ場に向かうゴルファー」や「早起き好きのリスナー」の強い味方だ。

タイに活動拠点を移して3年半。日本では主にテレビのレギュラー番組で司会やレポーター、ラジオCMの声優として活躍していたが、「仕事で多忙な毎日を送り、元来強くない体に変調を来した」と充電を目的に来タイ。タイ語学校在校中にラジオ番組「クラブJ」のDJ募集を見て応募し、採用された。

だが、しばらくすると番組は終了。日系企業のイベント司会者などをこなしていたが、知人らからの要請に奮起。今年1月に「SakuraKiss」社を設立。広告主も確保し、3月に念願の本放送を開始した。

■貴重なまとめ役

各コーナーを担当するDJを含め、約20人の日本人、タイ人が番組作りに関与している。石田さんはDJに加え、企画・演出、音楽の選曲、ニュースの編集などと全体のまとめ役をこなす。季節の話題、日タイの出来事、タイ・日本語講座、Jポップのコーナーや開運占いなど、小学生から50歳代までと幅広いリスナーを考慮した構成となっている。放送はバンコク郊外にあるスタジオから発信されるが、生放送以外の部分は事務所で制作される。

録音・本番中には各スタッフの能力を十分引き出し、「タイ語と日本語で交互に会話を進めるため、はっきり聞き取れる分かりやすい言葉を使用する」ことを心掛けている。本番中の裏話としては「タイ人の裏方さんが放送中に睡眠し、放送が中断することがある」と苦笑い。前の番組がずれ込むこともしばしばだが、「郷に入っては郷に従え」と柔軟な一面も見せる。

活用できる情報を獲得するために常にアンテナを張り巡らし、「人との出会いを大切にする」のが石田さんの信条。営業・取材に走り回り人脈を広げている。

■情報収集の場に

テレビやほかのメディアとの違いについて「ラジオはバンコクの悪名高い交通渋滞に巻き込まれた運転者の強い相棒」。また、昨年のインド洋大津波では「災害時に役に立てる」ことが証明されたという。試験放送開始の直後、プーケットにスタッフを派遣、衛星中継で現場の状況を伝えた。「日本語による情報収集の場として活用してほしい」と、社会的貢献として「何ができるか」を熟考している。

今後の展望として、新スタッフを積極的に起用し、自身は制作を担当する「裏方」に徹するほか、ホームページ開設やインターネット放送も検討。他のアジア言語の局と共同で「アジアチャンネル」を立ち上げたいと目を輝かせた。

若さ満載の伸び盛り番組。失敗しながらもスタッフとともに新しい可能性を探る楽しい番組作りを目指している。「想像力で見えない部分を膨らませながら聞いてください」と放送中でも笑顔を絶やさない石田さん。それが視聴者を引き付ける理由のひとつかもしれない。(タイ編集部・宮内努)

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