加納朗さん:エッジ(サイアム)社長

1996年創立から急拡大を続けるエッジ――。今年に入っても基本ソフト(OS)、「リンドウズOS」の日本語版販売や固定電話事業への参入など、とどまるところを知らない。タイ現法エッジ(サイアム)も日本での勢いそのまま、新商品を引っさげてタイのインターネット界をリードする。エッジ(サイアム)の加納朗(かのうあきら、29歳)社長にお話をお伺いした。

先手必勝、動き続けるネットの風雲児

2003/11/4

加納社長

――事業についてお話下さい

タイに進出したのが2000年の10月ですから、ちょうど3年になります。当初はバナー広告配信システムを提供しようということで始めたのですが、まだ市場が成熟していなかった。そのため、現在はウェブサイト制作がサービスの中心になっています。

タイ企業、政府機関、在タイ日本企業のほか、日本に拠点を置く企業のウェブサイトも作成しています。タイは人件費が安いのもひとつですが、スタッフは色使いなどデザインの感覚が柔軟で日本人の好みをよく理解してくれます。

サイトの制作といっても単純に会社紹介を作るだけではありません。コンサルタントを兼ねた仕事であり、顧客がウェブサイト作成で何を得ようとしているのかを見極め、宣伝効果以上のものを提供します。それと、ウェブサイトは生きものですから、アクセスを上げるため常に更新し続ける必要があります。

――今後の展開を具体的に

タイではパソコン(PC)、インターネット利用者の多くが若者ですから、当社はこれから若者向けウェブサイトの運営に着手しようと考えています。

まずタイ人向けの求職サイトをオープンする予定です。既存のサイトは使い勝手が余りよくないので、より良いものを提供する自信があります。また、不特定多数の人がコミュニケーションを図るサイトなども始められないかと考えています。いかに多くの会員を集められるかがポイントですね。

これに付随して企業向けのマーケティング・サービスも展開できます。サイトの会員を対象に賞金・賞品つきアンケートを実施し、集めた情報を企業に提供するという展開が期待できます。

ほかIP(インターネット・プロトコル)電話の販売を始めます。売るのはPC上で起動するソフトウエアで、PCを通して電話をかけられるというものです。例えば企業がタイ支社のPCを、日本にある本社の電話の子機扱いにする。そうすると本社までの通話料が無料になるというソフトです。

ネット環境がまだ良くないですが、インターネット人口はこれから増えるしかない。常に先手を仕掛けて市場を確立していきたいです。

――ご自身についてお聞かせ下さい

保険会社に就職し香港に駐在していた時、堀江貴文社長と知り合い、考え方にひかれて転職を決意しました。入社してすぐエッジ(ヨーロッパ)立ち上げのためベルリンで1年過ごし、その後タイです。

4年いた香港はスピードのある街で、何でも即決で物事が進むので面白かった。ところがドイツに行くと遅い。せっかちなので、最初はスタッフが昼間からビールを飲む姿を見て腹も立ちました。どうやってこの国でベンツやBMWが生まれたのかと不思議に思ったりもしました。

ただ若いうちから経験の場を与えてもらったことは幸運でした。郷に入れば郷に従えと思い生活していますので、日本も含めた4ヵ国はどこも好きです。ドイツでも、最後には自分も昼間からビールを飲んでいましたし。

タイに来て8ヵ月になります。学生時代からのアイスホッケーはお休みしてラグビーを始めました。といっても練習よりチームの仲間のノリが楽しくて、飲み会で頑張っています。

エッジ(サイアム)はエッジと中央宣興(タイランド)(CHUO)の合弁で設立。日本人3人、タイ人23人のスタッフを抱える。加納氏の夢はタイ人社員全員を日本旅行に連れていくこと。「エッジ本社を見せ、本物のIT(情報技術)企業の雰囲気を知ってもらいたい」と話す。(聞き手:工藤定朗)

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