近藤等さん:Cable & Wireless Global Pte. Ltd.日系企業担当責任者

この業界は「ビジネスの風向き」をいかに読むかで雌雄が決着する。「前の名刺です」と渡された肩書きは、C&WIDC日本の駐在事務所代表。

海洋、衛星から転身、日系企業の通信最前線

2004/1/6

近藤 等さん

1989年、IDCはトヨタ、伊藤忠商事、ケーブル・アンド・ワイヤレス(C&W)が出資者の日本の通信会社として誕生した。その後、 1999年C&Wグループに参加。「2002年10月に着任した時は、駐在員事務所へ。翌年1月に閉じて現在のC&Wグループのシンガポール法人に統合したわけです」というが、日系企業にはおなじみのC&WIDC日本の方が通りが良く、今もその名刺を合わせ持つ。

どんなサービスを提供しているのか。

一言では難しい。日本・アジアを中心に通信事業者として音声、データなど広範囲なサービスを提供するソリューション・プロバイダーをめざす。

すなわち、WANを構築したい、インターネットの接続環境を整えたい、データセンターを利用したい、インターネットサーバーの運用管理を任せたい、ディザスターリカバリー対策、セキュリティーの強化など顧客のニーズに即応し、C&WIDC日本と共にネットワークを構築し、そのアフターサービスも提供するのが業務のようだ。

昨年11月末のプレスリリースによるとC&WIDCは国際決済金融業界向けに新しい会員制オンライン情報サービスも始め、通貨、時間帯のまたがる資金管理を初めてリアルタイムで実現したという。

日系通信事業社各社、シンガポール・テレコム(シングテル)、さらに中小がひしめく業界。「アジアの大きなキャリアも日本へのサポートを重視しています」。当地の日系企業への食い込みも激烈な競争だ。しかも大型の設備投資の償還を待たず、新しい技術が生まれ、また投資するという「明日を読めない」業界だ。

信頼性、安価、日本語で

差別化で生き残るのはどこも同じ。だが、「信頼性とサポートが勝負」「安くて高品質なサービスを日本語でサポートできる」この2つを備えているからこそ顧客増が達成できたと強調する。アジア地域は日本の傘下で、音声、データを、セキュリティーサービス系は英国本社、アジア地域のインフラも管理する。インターネット系サービスはC&Wインドが担当する。まさにネットワークの社会だ。

「面白い業界でしょ」と立て板に水の説明にどこか営業マンではない雰囲気が漂う。

「東海大海洋学部で学びました。海洋気象、工学も勉強しており通信関連会社に就職したわけです。約10年間、衛星通信設備の設置等で中東・アフリカに出張していました」

友人に誘われ転職したのがこの会社。海洋―衛星通信―通信事業界。海から大空、そして大地へ。「衛星通信から海底ケーブルへと時代が変わり、われわれの商品も実に多様です。しかもシンガポールは通信、映像のハブとして最高の環境にあります。マレーシア、フィリピン、インドネシア、インド等をサポートしており、これから忙しくなりそうです」

外洋ヨットレースで完走

もうひとつの顔が「海の男」。ヨット暦20年。自前ヨットを仲間と共有、日本では三浦半島を拠点にオーバーナイトのクルージング。クリスマスに出航し、正月に着く日本―グアム間ヨットレースに2回参加し、完走した。

嵐の海で危機に遭遇したことも。「何にでもリスクは付き物です」とさらり。「シンガポールで仲間を探しています。欧米系のグループが活発なようで是非とも南シナ海、インド洋の風を思う存分味わってみたいですね」

単身赴任。年末には夫人と小学1年生のお嬢さんがやってきた。

2004年の新春。「次のネットワークを考えるには、まず顧客、同業者からの情報収集に力を入れます。当然周辺国の情報にも気を配り、顧客に的確な情報を速やかに提供したいと思っています」

最後はまた仕事の話。両親は秋田の人、父は「秋田杉地帯の農山村」の出。人柄が出る。でも「育ちは神奈川県川崎市です」。

来月、49 歳。ビジネス気象を読み、業界の大海原を快走する万年青年だ。(インタビュー・小森孝光)

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