マレーシア  2008年9月16日(火曜日)
日本就航は首都圏最優先、エアアジアX[運輸]

日本就航を目指す格安航空エア・アジアXが、マレーシア人を含めたアジア国籍者に対する日本のビザ発給の難しさを理由に、渡航客を多く集められる首都圏に就航先を絞る姿勢を示している。NNAの単独取材に応じたアズラン・オスマンラニ最高経営責任者(CEO)が明らかにした。実質的には国内で唯一、同CEOが直接現地を訪問している茨城空港(2010年3月開港予定)が路線獲得競争のトップに躍り出た格好だ。一方で、同CEOは日本・マレーシア両政府が先ごろ合意した羽田空港の国際便発着枠についても意欲を表明。獲得に乗り出すと明言した。



同CEOは、かねて問題視している日本のビザ政策に触れた上で、「現状のままでは札幌や福岡、名古屋など市場規模の小さい空港では就航は難しい。ビザ発給の問題に進展がなければ、東京か大阪に就航先を絞らねばならない」と述べた。同社が日本路線にあてるエアバス「A330―330」型機は乗客383人を収容する大型機のため、「座席を埋められない都市への就航は利益の低下につながる」としている。

同CEOは7月下旬に日本を訪問。茨城空港の建設現場などを視察し、橋本昌・茨城県知事に就航の意向を伝えた。同社はこれまでに静岡、茨城、福岡、札幌、名古屋、関西などの各空港と話し合いを持っているが、経営トップが訪問したのは茨城が唯一。

東京からのアクセスなどを自身で確かめたという同CEOは「ロンドンやニューヨークなど大都市には国際空港が3つ以上ある。成田、羽田の混雑ぶりを考えれば、茨城は東京にとって第3空港になり得ると信じている」と述べた。

一方で、アズランCEOは12月に札幌を訪れる計画を明らかにした。現地では、東南アジアの人々に人気の高い冬の北海道の観光地を視察するという。

■羽田就航にも意欲

同CEOはまた、7月に日マ両政府の航空当局が合意した羽田空港第4滑走路(2010年10月利用開始)の国際定期便の運航枠について、「もちろん就航を申請したい」と意欲を表明。「1日1便から始めてみたいが、羽田のコストを見てみる必要がある」とした。発着枠が深夜早朝時間帯(午後10時〜午前7時)に限られることについては、「われわれにとっては望ましい。乗客は夜中に日本を出て早朝にクアラルンプールに着けば、その日のうちにペナンやバリに飛ぶことができる」と自信を示した。

両国の合意では、日本とマレーシアの航空会社それぞれに週7便ずつの運航を認めるとしており、マレーシアの国際航空2社のどちらに発着を認めるかはマレーシア政府当局の判断になるという。

■空港への要求事項

日本の各空港を訪問する目的について、同CEOは「当社のビジネスモデルと従来の航空会社との違いの説明。さらに受け入れ空港や地域への影響を話した」と述べた。各空港には▽運航コスト(着陸料、駐機料、カウンター運営費など)▽離着陸時間(スロット)――の2点について同社の要望を伝えたという。

特にスロットについては、航空機の空港滞在時間を最小限に押さえることでコスト削減を図る同社のモデルに理解を求めた。また、「これまで飛行機に乗ったことのなかった層が路線を利用するようになる。空港や地域にとって多くの来訪者を獲得できるようになる」として、低コスト運営への協力を要請したという。

■目標は10年就航、99ドルから

このほか就航時期については、「もっとも遅くても2010年を目指している。現状では中国、豪州に集中し、09年10月以降に日本、韓国、インドへの就航となる。さらに5年後には発注済の航空機25機が届く。そのころには日本で2〜3都市、韓国1〜2都市、インド3〜4都市での運航が可能となるだろう」と述べた。料金は片道99米ドル(サーチャージ、諸費用込み)からとし、「平均で150〜250米ドル程度となるだろう」としている。

利用比率は日本人と東南アジア人の利用を半分ずつとしたい考えで、日本事業は2013年以降にエア・アジアXの総売上高の10〜15%を占めると見込んでいる。

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