インドネシア  2009年3月30日(月曜日)
首都圏の堤防決壊死者百人、20年で最悪[社会]

バンテン州南タンゲランのチレンドゥ地域にあるギントゥン調整池(Situ Gintung)で27日未明に発生した堤防の決壊は、29日午後7時30分までに99人の遺体が収容された。死者が100人を超えることは確実で、首都圏で発生した災害・事故として過去20年で最悪の事態となった。

ニュースサイト『デティックコム』などが伝えたところによると、家屋300戸が濁流に流されたり、浸水して損壊する被害を受けたという。保健省危機対策センターは、120人以上が行方不明としているほか、190人以上がけが、約1,600人が避難していると明らかにした。1件の災害・事故としては1987年に発生したジャカルタの鉄道衝突事故による139人死亡以来の最悪となった。

26日夕方から降り続いた雨で池の水量が増し、午前2時ごろに堤防が決壊したとみられている。冠水した地域は10ヘクタールの広範囲に及んだとの報道もある。

住民の証言によると、堤防付近の住民には決壊の恐れがあると警告があった一方で、被害者の多くは警告が届かなかった堤防から離れた地区の住民だったという。

州の災害対策課は、チレンドゥ郡のギントゥン、ポンチョル、サムラテックの3村の被害が最も激しいと説明している。

一時は3メートルほどの高さまで水に浸かった地域もあり、付近のチプタットラヤ通りから、南ジャカルタ・ルバックブルス方面への道路は冠水の影響で5キロメートルにわたり大渋滞が発生した。

国営電力PLNは、変電所5基が浸水の影響で稼働停止し、感電などの二次災害を防ぐため周辺地域への電力供給を停止したと明らかにしている。

バンテン州のアトゥット知事は、家屋が損壊した住民には国家予算から見舞金として1世帯当たり500万〜3,000万ルピアが拠出されると説明している。

■政府が堤防を再建、大統領

堤防が決壊した27日には、ユスフ副大統領とバクリー福祉担当調整相が現地入りしたのに続き、ユドヨノ大統領も関係閣僚を同伴して視察し、住民に生活物資を配給している。

大統領は、バクティアル社会相、シティ保健相に支援を指示したと述べたほか、政府が責任を持って堤防の再建を行うと明言。構造について再検討した上で、緊急事態用の資金を投じて再建に取りかかるとした。

ジョコ公共事業相も29日、できる限り早期に堤防の修復工事を行うことを確約。新しい堤防は2度と今回のような災害が発生することなく、長期間にわたり耐久性が持続する構造になるとした。年内の完工を目指すと述べている。

同相はまた、首都圏にある210カ所の調整池や湖の適正評価を行うと説明。ほとんどの池がオランダ時代に建設されたものとして、管轄機関の代表者を召喚して強度調査の実施を指示するとした。

ただ、同省では定期的に調整池の評価を行っていると指摘。今回の決壊は短期的に大量の降雨があったために対応可能な水量を超えてしまったことが要因として、管理上の問題ではないとの立場を示している。

■大学構内の被害90億ルピア

一方、災害対策本部が設けられているムハマディア大学のマシト学長は、被害を受けた建物が5棟に上ったと指摘。大学全体の被害額は90億ルピアに上ると試算している。

いずれも1階にあった書籍やコンピューターなどの設備が流されたりしたほか、農学部の建物など3棟は重篤な損壊となっているとした。

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