インドネシア 2009年4月6日(月曜日)
ジャワ新幹線建設に2兆円、日本調査[運輸]
日本政府が実施したジャワ島の新幹線建設調査の概要が明らかになった。ジャカルタ〜東ジャワ州スラバヤを3時間以内で結ぶ計画で、総事業費は2兆1,368億円が予想される。2020年の事業着手と9年後の開業を見通している。

報告書によると、新幹線技術でジャカルタ〜スラバヤの685キロメートルを北岸沿いに結ぶ計画が示され、駅数は9カ所となる。
暫定案として、ジャカルタのマンガライ、西ジャワ州チカンペック、チレボン、中部ジャワ州テガル、プカンロガン、スマラン、ガンブリンガン、チェプ、東ジャワ州スラバヤのバサールトゥリとの調査結果を盛り込んだ。
チレボンからジョクジャカルタ特別州、中部ジャワ州ソロを経由する南路線も検討されたが、距離、建設費、工事の難易度、地震発生頻度、経済拠点とのアクセス対応などを考慮して北岸路線を選定したという。
ジャワ島北岸には主要都市が連なっていることから、高速鉄道で結ぶことで、日本の東京〜名古屋〜京都〜大阪の発展モデルのようなベルト地帯としての発展が期待できると説明している。
新幹線技術の優位性については、電車方式による動力分散型が欧州で主流の機関車方式による動力集中型よりも路線などへの負担が軽く、新線建設コストが低く抑えられるほか、ジャワ島では地震や熱帯季節風(モンスーン)などが発生することから、欧州よりも日本に気候が類似しており、新幹線の経験が活用できると強調した。
ジャワ島の在来線の軌間は日本と同じ1,067ミリメートルで、高速鉄道には新幹線と同じ1,435ミリメートルを提案。在来線との相互乗り入れは行わない。
事業に着手後は、設計・入札に3年、工事に5年、試運転に1年の9年間を想定している。
運輸省のヌグロホ鉄道局長はNNAに対し、事業については現在計画の準備を進めている段階と述べている。
■橋建設に5600億円
調査は、日本貿易振興機構(ジェトロ)が受託した「ジャワ島高速鉄道建設事業調査」で、日本交通技術、海外鉄道記述協力協会、電気技術開発、アルメックが実施した2008年度の円借款案件形成等調査。予備事業化調査として、3月に報告書が提出されている。
工費は1兆5,657億円を予想。うち外資が1兆4,241億円と見通した。最大の費用が必要なのは、橋りょうで5,613億円、路盤費で2,380億円と見込んでいる。これらにコンサルタントサービスの1,566億円などを含めた総事業費は2兆1,368億ルピア。うち外資負担分が1兆6,716億円と見積もっている。
資金調達の枠組みは、円借款の買付上限が4年間で2,000億円。それ以外は、プロジェクトファイナンス方式か、官民連携(PPP)のうちの事業運営契約(OMC)が妥当と結論している。
また収益性については、ジャカルタ〜スラバヤの片道運賃を100万ルピアと仮定した場合に、40年間の財務的内部収益(FIRR)は10.4%で、財務純現在価値(NPV)がプラス値となることから投資妥当性があるとの判断を示した。また、在来線や飛行旅客機などからの乗り換えによる排出権取引で31年間で1,700億円が獲得できると予想されるほか、東ジャワ州での経済的波及効果が57億円に上るとの見通しも盛り込んでいる。
一方、計画の実現に向けた課題については、高速鉄道事業が国家開発企画庁(バペナス)の対外借款開発事業に掲載されていないことや、日本政府が日本の技術採用の働きかけにどこまで積極的になれるかどうかなどを例示。これ以外にも民間の出資に対する政府の政策的な支援や土地収用が円滑に進むかどうかなども大きな問題になり得ると盛り込んだ。
また予備調査後に、国際協力機構(JICA)による開発調査、JICA専門家の派遣などの継続的対応が事業推進に必要と指摘している。