インドネシア  2009年4月7日(火曜日)
印ジンダル、ステンレス鋼事業から撤退[資源]

国営鉱山アネカ・タンバン(アンタム)は、南スラウェシ州で計画するステンレス鋼製造事業で、合弁相手であるインドのステンレス大手ジンダル・ステンレスが撤退する意向と発表した。世界的な金融危機が要因と説明している。また、地方政府との鉱業認可をめぐる訴訟も明らかにした。

アンタムのアルウィン社長は、昨年末にジンダルからの撤退意向を伝えられたと明らかにした上で、同事業の鉱業認可問題が解決していないと指摘している。

合弁会社が開発する予定だったマンディオド鉱区がある北コナウェ県の知事が、アンタムが権益を保有する地区の一部に他社の権益を認めており重複していると説明した。アンタムは、マンディオド鉱区の探査と採掘準備に600億ルピアを投じているという。

このほかにも同県で保有するタプノカパ・バフブル地区についても県知事がアンタムの権益面積を縮小したほか、他社に重複する認可を与えていると説明している。

同社は、昨年にクンダリ行政裁判所に提訴し、一審で勝訴したものの、知事側がマカッサル高等行政裁判所に上訴し、結果を待っている段階と指摘した。

ジンダルとの合弁会社ジンダル・ステンレス・インドネシアにはアンタムが55%を出資し、年産能力がフェロニッケルで2万トン、ステンレス鋼で25万トンの施設を建設する予定だった。総事業費は7億米ドルと見込んでいた。

■中国社との合弁は上訴中

このほかの鉱業認可の紛争では、中国のステンレス製造大手の青山控股集団との南スラウェシ州オビ島の合弁事業も解決していない。

南ハルマヘラ県知事がアンタムの鉱業権をはく奪したために、県をアンボン行政裁に提訴している。一審では1月の判決で敗訴し、マカッサル高裁に上訴中と説明している。

同事業は、年産能力30万トンの施設を建設する予定で、これまでに探査費用750億ルピアを費やしているという。同社は地元コミュニティーとの関係や、インドネシアの投資環境改善に向け、協議を続けて解決策を探っていくと強調している。

アルウィ社長は、注力している成長事業として、西カリマンタン州タヤン地区でのアルミナ(酸化アルミニウム)事業で日本の提携企業の昭和電工や丸紅と協議中と説明。また、設計・調達・建設(EPC)請負業者や銀行からの資金調達に向けた交渉も行っていると明らかにした。

もう一方の注力事業と指摘する、東南スラウェシ州ポマラアの石炭火力発電所建設では、ナバ・バラト・インドネシアとインディカ・エナジーを建設業者に指名しているとあらためて示した。

また、豪上場金鉱アーク・エクスプロレーションから権益95%を取得したバンテン州チバリウン金鉱事業については、探査のための株主からの承認を待っている段階と説明している。

同社の2008年12月期監査済み決算は、純利益が前期比73.3%減の1兆3,681億ルピアだった。監査前の発表から4%拡大している。

売上高は前期比20.1%減の9兆5,920億ルピアとなった。探査費用は、監査前の1,304億ルピアから3,539億ルピアに変更した。豪資源最大手BHPビリトンから、合弁会社ガグ・ニッケルの株式を取得したことなどが要因。BHPはガグに75%を出資していたが、アンタムに全株を売却している。同期の設備投資額は前期比53.4%増の3,024億ルピアだった。

■豪社、アチェで探査

一方、豪上場プロスペリティー・リソーシズは6日、ナングル・アチェ・ダルサラーム州のピナンピナン金鉱の権益80%を取得することで合意したと発表した。同鉱区は政府と旧独立派組織「アチェ自由運動」(GAM)の紛争で約10年間探査が行われていなかったという。

初年にムルティ・ミネラル・ウタマに50万米ドルの探査費用を投じることで権益51%を取得、2年目に75万米ドルを投じることで80%を取得するという。

プロスペリティーのモー・ムンシ会長は、インドネシアでの将来性ある事業の第一歩と述べ、週内にも探査を開始すると明らかにしている。

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