タイ 2009年4月29日(水曜日)
養豚業界、インフルエンザ影響を否定[食品]
豚インフルエンザの世界的な流行が懸念される中、タイの養豚・豚肉加工業界は、大きな影響を受けないとする見方を示した。衛生管理が確立していること、加工品のみを輸出していることが理由。ただ、各社とも念のため感染防止策を実施する。政府も28日に対策委員会の設置を決めるなど、警戒を強めている。
28日付各紙によると、食品大手ベタグロ・グループのノポン副社長は27日、養豚・豚肉加工業への豚インフルエンザの影響が限定的なものにとどまる見通しを明らかにした。
国内で飼育される年1,200万頭の豚の70%が隔離された施設で飼育されており、衛生管理が確立しているため、国内にウイルスが進入したとしても感染の可能性は低いと説明した。
同社は豚肉製品を輸出しているが、ほとんどが冷凍・加工品のため、問題ないとみている。昨年は1万4,000トンを輸出した。
ただ、予防策として、かぜをひいた従業員、熱のある従業員の勤務を27日から禁止した。
食品最大手ジャルーン・ポーカパン・フーズ(CPF)も、影響を受けない見方を示しながら、養豚場・豚肉加工工場の見学を中止し、従業員の健康管理を徹底する方針を明らかにした。
今のところ市場に影響は出ておらず、27日の豚の出荷価格は1キロ60バーツで前日から横ばいだった。
流通大手セントラル・グループ傘下のスーパー「トップス」は、すべての豚肉製品が国産であり、豚インフルエンザの流行は販売に影響しないと説明した。
一方、タイは昨年、主にデンマークと米国から4億バーツの豚と豚肉製品を輸入した。これとは別に、種豚を米国、欧州、オーストラリアから計257頭輸入した。
■政府が対策強化
政府は28日の閣議で、サナン副首相を委員長とする豚インフルエンザ緊急対策委員会の設置を決めた。世界保健機関(WHO)などと密に連絡を取り、状況に応じた対策を迅速に実施する。
各国際空港はすでに、体温測定のためのサーモグラフィー(体表面温度測定装置)を設置した。タイ国際航空(THAI)も厚生省と協力し、国際線の到着客の検査や、客室内の清掃、消毒を徹底する。
ウィタヤー厚生相は同日、豚インフルエンザ流行地域への渡航を現時点で禁止しない方針を表明。ただ、不要不急の渡航を延期するよう呼び掛けた。
一方、バンコク都内の国立チュラロンコン病院は、メキシコに11日まで滞在していたタイ人女性が高熱を出して入院し、検査を受けていることを明らかにした。