インド 2009年5月1日(金曜日)
《安全》新型インフル感染の疑い、国内で初[社会]
新型インフルエンザの感染拡大で世界保健機関(WHO)が警戒水準を「フェーズ5」に引き上げる中、インドでも感染が疑われる例が見つかった。4月30日付タイムズ・オブ・インディア(電子版)によると、米テキサス州から南部アンドラプラデシュ州ハイデラバードに来た在外インド人の男性に、新型インフルエンザの症状が出ているという。もし感染が確認されれば、インドでは初のケースとなる。
インド当局は世界的な新型インフルエンザの拡大を受け、米国など感染者が出ている国からのフライトで医師の特別チームによる検疫を実施。過去10日以内に入国したケースについても乗客の家などに赴き、鼻水や発熱、節々の痛みといったインフルエンザの症状が見られないかをチェックしている。
問題の男性は27日にハイデラバードの国際空港に到着しており、こうした追跡調査の結果、感染の疑いがあることが分かった。
アンドラプラデシュ州のスブラマニヤン保健次官によれば、男性はまずナラヤングダの予防医療研究センターに運ばれ、呼吸器関連の予備検査を受けた。さらにエラガンダにある国の胸部疾患病院の隔離病棟に移され、10日間にわたって経過観察が行われる見通しだ。なお男性の家族には新型インフルエンザの症状は出ておらず、隔離もされていないという。
在チェンナイの日本総領事館では、報道について確認を急いでいるもよう。矢ヶ部首席領事は30日、NNAに対し、「事実を確認した上で、対応を検討する」と話した。同首席領事によれば、インド南部は現在、夏の暑い時期のため、地元関係者の間ではこれまで「インフルエンザが流行する恐れはない」との楽観的な見方が強かった。しかし国内初の感染が確認されれば、にわかに対策を迫られそうだ。
■航空券キャンセルも
新型インフルエンザに対する懸念が高まる中、インドでは旅行を控える動きも出ているようだ。航空会社や旅行代理店向けに航空チケットなどの予約・発券システムを提供するアマデウスによれば、過去2日間でチケットのキャンセル率は通常と比べ2〜4%上昇しており、今後数日でさらに高まる公算が大きい。
世界的な景気低迷を背景に、国内の旅行・観光業界は不振にあえいでいる。デリーでは客室400室を超えるホテルの客室稼働率がすでに30〜35%まで低下。豚インフルエンザ騒動がさらに追い打ちをかける可能性もある。
■ランバク、後発薬供給へ
30日付エコノミック・タイムズ(電子版)によれば、製薬大手ランバクシー・ラボラトリーズは、ロシュ(スイス)が展開する抗インフルエンザウイルス剤「タミフル」の後発医薬品(ジェネリック)の供給が近く可能になると明らかにした。インド政府が予定するインフルエンザ治療薬の備蓄拡大で、契約を獲得したい考えだ。
先には国内同業シプラが、4〜6週間で150万回投与分のインフルエンザ治療薬を生産する準備ができたと表明。同社はタミフルのほか、英グラクソ・スミスクライン(GSK)の抗ウイルス剤「リレンザ」のジェネリック薬を供給する計画だ。
保健・家族福祉省高官によると、政府はすでに約100万回投与分のインフルエンザ治療薬を備蓄している。同省は向こう数日内に、さらに200万回分の購入を進める見通しだ。