フィリピン 2009年5月14日(木曜日)
ローム、比工場で走行記録器用LSI組立[IT]
半導体メーカーのローム(京都市)は、車両の走行状況を記録するドライブレコーダー用LSIの新製品「BU1511KV2」の生産のうち、後工程をフィリピンで行う。同製品は、1チップLSIによりパソコン(PC)レスの環境を実現。これまで3万円程度だったドライブレコーダーの価格が1万円台に下がる見通しで、一般乗用車市場の開拓に期待を示している。
月産2万個規模で6月から生産を開始するもので、前工程をローム本社、後工程の組み立て業務をローム・エレクトロニクス・フィリピンで行う。ロームは既に、3月から1個1,800円でサンプル出荷している。
ローム本社の広報担当者は13日、NNAに対し「現在のドライブレコーダーの国内の年間販売実績(約20万台)から判断し、生産規模を設定した。当面の出荷先は日本中心になる見通し」と説明した。増産の可能性については「需要の動向をみながら」とし、従業員や生産ラインの拡大は現時点で未定と述べた。同社は、タイにもLSIの後工程施設を持つが、当面はフィリピンのみで組み立てを行うという。
■一般車への普及期待
同商品は、ドライブレコーダーの構築に必要なカメラ、SDカード、加速度センサーなどとのインターフェースを1チップに集約したことが特徴。PCやソフトウエアなしで利用でき、コストダウンを通じたレコーダー価格の引き下げや操作性の向上が見込めるという。レコーダーは現在、バスやトラック、タクシーといった事業車への導入が大半を占めるが、事故率の低下や低燃費が期待できる点をアピールし、一般車向け市場の開拓を狙う方針だ。
同社が提示した矢野経済研究所の調査資料によると、ドライブレコーダーの市場規模は2011年に販売台数ベースで約40万台、小売金額ベースで約220億円に拡大。14年にはそれぞれ85万台、300億円程度に急増する見通しという。
カビテ州カルモナにあるローム・エレクトロニクス・フィリピンは1989年9月、資本金12億2,156万3,000ペソで設立。従業員数は2,783人で、モノリシックIC、トランジスタ、ダイオード、抵抗器などの組み立てを行っている。
同社のフィリピン拠点はほかに、93年11月に資本金1億5,000万ペソで設立したローム・メカテック・フィリピンがある。従業員数は335人。製造品目はリードフレームや金型などとなっている。