台湾 2009年6月9日(火曜日)
新卒採用なし、企業の3分の1[労働]
就職仲介サービスの1111人力銀行の調査によると、今年に新卒学生の採用を予定していない企業が3分の1以上に上ったことが分かった。うち約2割は毎年採用していたものの、今年は凍結した。また企業が新卒者に支給する予定の初任給は2万4,133台湾元で、昨年よりも約2,000元減ったことも明らかになった。企業は昨年に引き続き、採用を手控えているようだ。


調査は先月22日から今月4日にかけて、新卒者や企業を対象に実施したもので、新卒者1,356人、企業495社から回答を得た。
その結果、「新卒を採用する予定がある」企業は65.5%にとどまった。一方、「採用する予定がない」のは34.6%で、「例年は採用しているが、今年は凍結する」が21.8%、「一度も採用したことがない」が12.7%だった。
呉睿穎営運長は、「6月に入り、製造業や不動産業、サービス業などで人材需要が高まっている」と説明。ただ「新卒は育成にかかるコストが高いため、景気が完全に回復するまでは新卒者は厳しい状態が続く」とみている。
新卒採用を予定している企業に、募集予定の職種を聞いたところ、「カスタマーサービス・営業・貿易」が38.9%で最も多かった。これに「(工場などでの)機械作業員・技術員・アフターサービス」(9.3%)、「事務」(6.5%)と続いた。一方、新卒学生の希望する業種の上位3位は「事務」(44.5%)、「カスタマーサービス・営業・貿易」(33.7%)、「マーケティング」(18.7%)と、企業との間にそれほど大きな開きはないようだ。
■初任給、支給予定額2千元減る
企業が予定している初任給支給額は平均2万4,133元で、昨年よりも2,010元減った。学歴別では専門学校卒が2万3,052元、大卒が2万4,582元、修士課程卒が2万8,635元でいずれも昨年より減少。下げ幅が最も大きかったのは修士課程で7%だった。
一方、新卒学生が希望する初任給は平均2万2,599元で、昨年よりも3,349元減った。企業の支給予定額を1,500元余り下回っており、不景気を背景に、自身を“安売り”する学生が増えていることがうかがえる。
■企業が求めるもの=「可能性」
企業が新卒者に求めるものでは、「可能性」が63.9%でトップだった。「柔軟性」が43.1%、「学習能力の高さ」も40.3%と高かった。一方で、新卒者が職場から淘汰(とうた)される理由としては、「仕事熱心でない」が56.3%、「企業や職場の文化を理解していない」が47.9%と目立って多かった。
雇用情勢は失業率が4月に5.76%と改善したことで、一服感も出ているが、新卒学生は約8万6,000人が失業するなど、依然厳しい就職戦線が続いている。