タイ 2009年6月29日(月曜日)
貿易・投資拡大で協議、首相が中国訪問[経済]
アピシット首相は24〜27日、就任後初めて中国を訪問し、貿易や投資、観光面での協力関係強化について、同国首脳や財界人らと話し合った。首相に同行した商務省やタイ企業の代表は、農産物輸出などで中国側と総額360億バーツ相当、計18件の覚書(MOU)を締結。また、中国企業が鉄道建設や原子力発電所開発への投資、銀行への出資などに興味を示した。
タイ国営通信(TNA)などによると、首相は24日に北京に到着し、温家宝首相と会談。その後、天津や広州も訪れた。
25日には北京のホテルで、18件のMOUの締結式が行われた。タイからの輸出品のうち、商務省貿易局は政府が備蓄するタピオカ400万トンを電力会社などに売却することで合意。また、タイの民間企業5社がコメ14万5,000トンの売却を確保した。ゴム10万トンや果物1万5,000トンの対中輸出でもMOUが交わされた。
一方、タイの宝石・宝飾品取引業協会は、中国の金取引業者団体と協力強化で合意した。両国の業者が加盟する業界団体が年内に設立される見通し。
アピシット首相と胡錦濤国家主席との25日の会談では、同国家主席が人民元を東南アジアの基軸通貨にしたいとする希望を述べた。首相は、「タイ中央銀行の考え次第」としながら、「政府としては、(米ドル以外の)選択肢が広がることは望ましい」との考えを示した。
■鉄道・原発など関心
首相は26日、家電の海爾(ハイアール)や商用車の北汽福田汽車の幹部らと会談。タイ投資委員会(BOI)の投資促進策や東部ラヨン県の環境規制などについて質問を受けた。鉄道建設大手の中国中鉄の幹部は、タイでの鉄道路線建設に強い興味を示したという。
さらに、原子力発電所の開発に興味を示す企業があったことから、首相は事業化調査(FS)中であることを説明した。
タイのACL銀行の買収を図る中国工商銀行(ICBC)は、49%を超える出資を認めるよう首相に要請した。首相は、ACL銀の競争力強化に結び付くとして、特例措置の適用に前向きな構え。コーン財務相が9月に訪中する際、ICBC幹部との会談の場を設けると約束した。
■パンダ赤ちゃんで交渉
アピシット首相は25日、パンダの赤ちゃんの引き渡し時期の延期を温家宝首相に要請したことを明らかにした。温首相は、パンダの赤ちゃんが両国の交流拡大に結び付くと指摘し、詳細を検討した後に返答する旨を伝えたという。
赤ちゃんパンダは先月末にタイ北部のチェンマイ動物園で誕生。2年後に中国に引き渡されることが決まっている。