シンガポール 2009年7月8日(水曜日)
オフィス賃料、4〜6月期は19%減[建設]
都心部のオフィス賃料は、4〜6月期に前期比で19%減少したことが不動産仲介各社の調べて分かった。2けた減となったものの、マイナス幅は前期の25%減から縮小している。入居率も下落幅が緩和しているが、今後オフィスの新規供給が相次ぐため減少傾向は続くとみられている。
不動産仲介の米CBリチャード・エリス(CBRE)によると、プライム(高級)の平均賃料は1平方フィート(0.09平方メートル)当たり8.6Sドルで前期比18.2%減。四半期連続でマイナスとなったが、前期の18.6%減から減少幅がわずかに縮んだ。英系不動産仲介DTZデベンハム・タイ・リョンの調べでは、金融街ラッフルズプレイスのオフィス賃料は9.7Sドルとなり、2006年末の水準にほぼ戻っている。
一方で、中央商業地区(CBD)内でも金融街から離れた場所では下落が加速しており、ビーチ・ロード、ノースブリッジ・ロードでは20%減の6.2Sドルと前期の13%減からマイナス幅が拡大した。また南部アレクサンドラ・ロード周辺では、国有地やハイテク工業用地が放出されたことで供給が拡大し、賃料は23%減の5.0Sドルとなっている。前期は13%減だった。
このほか、CBDとその近隣地区の賃料の差は縮まっている。マリーナ・センターの賃料はラッフルズプレイスを12%下回ったが、昨年7〜9月期のマイナス18%からギャップが縮小した。このためDTZは、「不動産価格が高騰した時期に郊外に移転した企業が、CBDに戻ってくるケースも増える」と予想している。
4〜6月期の平均入居率は国内全体で92.8%となり、前期から1.9ポイント下落した。ラッフルズプレイスの場合、1.1ポイント減の91.8%で、前期に引き続きマイナスとなったもの下落幅は縮小している。DTZ、CBREの両社によると、下期は不動産市場が回復する前に契約を決めようとするケースが増え、低価格物件を中心に新規の賃貸取引が増える見込みだ。ただ今後数年でオフィスの新規供給ラッシュが続くため、しばらくは入居率の下落傾向が続くという。
■工業不動産は下落幅拡大
4〜6月期の民間工業用不動産の平均賃料はマイナス幅が拡大している。1階が6.8%減、2階以上が8.1%減で2003年7〜9月期以来最も大きな下げ幅を記録した。ピーク時の昨年7〜9月期と比較すると、1階が12.8%、2階以上は17.1%それぞれ下回っている。特にサイエンス・パークなどハイテク工業物件の落ち込みが顕著で、前期比12.8%減となった。2013年にかけて新たに3,060万平方フィートの民間工業用スペースが完成する予定で、供給過剰による需給バランスの悪化が懸念されている。7日付地元各紙が伝えた。