インド 2009年9月4日(金曜日)
SPマーケティング、印向け通販サイトを開設へ[商業]
通信販売向けマーケティング事業などを手掛けるSPマーケティンググループ(本社・東京都千代田区)は、10月にもインド向けの通販サイト「GINZA(銀座)Mall」を始動する。日本の文化を伝える「こだわり」の商品を取りそろえ、経済成長に伴い拡大するインドの中・高所得層に売り込む計画。同国向けに日本の商品を販売するサイトは一般的ではないため、早期の展開でデファクトスタンダードを目指す。2日にはサイトの加盟店の募集を開始しており、年末には50店を確保したい考えだ。
SPマーケティングで同事業を担当するECサービス部の執行役部長、深山雅弘氏が3日、NNAに説明したところによれば、この事業は南部タミルナド州チェンナイに本拠を置く情報技術(IT)企業GKKインフォメーション・システムズと共同で行う。GKKはシステム開発を担うほか、現地の新聞などメディアやポータルサイトとの提携を進める。これにより、インドの消費者に対し「GINZA(銀座)Mall(http://www.ginza.co.in/)」の周知を図っていく。
まず10月にプレオープンし、11月には地元のメディアを通じて会員登録のキャンペーンを実施。その後、12月までにフルカテゴリーで商品をそろえて本格化する計画だ。
サイトの加盟店は、海外事業に慣れていない中小企業が中心になる見通し。加盟店に提供する管理画面は、海外配送に必要な英文送り状や関税書類の印刷、商品発送後の追跡機能などを備え、事業の手間を軽減する構成になっている。
また、発送については、加盟店からの直接発送のほか、SPマーケティングが運営する拠点を経由して送り出す方法も準備している。こちらは一度に複数の商品を送るため、購入者の手元に商品が届くのが加盟店からの直接発送より遅れるものの、輸送コストは安くなる。輸送費は購入者の負担となるため、直接発送よりも商品を安く手にできる。消費者は購入時に直接かSPマーケティング経由かを選べるという。
さらに、加盟店に対して同社のコンタクトセンターを通じ、商品の販売を促進するためのコンサルティングサービスを提供する。現地の消費者の動向を伝えるほか、サイトに掲載する商品の説明文や売り込み文句などに対するアドバイスを行う。また、こうした文書の英文への翻訳も手掛けるため、加盟店は日本語のみで商品をインド市場に向けて発信・販売できる。
加盟のための初期費用は20万円。このほか月額基本料5万円と売上高の10%の販売手数料がかかる。
一方、消費者は会員になると、電子決済サービス「ペイパル」を通じて同サイトでの買い物の支払いができる。対象とする利用者層は年収100万ルピー以上の「ミドルリッチ」。この層は、都市部に住み、IT企業に勤務するなど定期収入があり、自家用車や家・マンションを所有し、クレジットカードを利用しているケースがほとんどという。
■日印の交流促進が目標
注目されるのは、サイトのコンセプトだ。「日本文化の発信と、ここでしか買えないものを紹介する」(深山氏)ことを目的としている。インドでは購買力の上昇とともに、伝統文化からアニメのフィギュアやモダンな衣類など現代的な商品まで、「日本的なもの」への関心が高まっているという。
SPマーケティングは、同サイトをセレクトショップと位置付け、高品質でセンスの良いものを扱うといったブランドイメージを構築する考え。このため、「えりすぐりの商品をそろえる」(同)方針で、審査を通過したもののみ取り扱う。また商品の品質に重きを置くことから、価格競争を避けるために、1カテゴリー1企業に限定する。さらに消費者の購買意欲を常に刺激することを目的に、定期的に販売品目を見直す。
こうした方針から、サイトの名前には、老舗(しにせ)の高級商店が軒を連ねる「銀座」の地名を採用している。深山氏は「インドでは日本は美しい国とのイメージが持たれている。一方、海外ではゲイシャ、サムライなどステレオタイプの見方がなされる傾向もあり、サイトを通じて日印の経済・文化面での橋渡しをしたい」と強調している。