インド 2009年9月23日(水曜日)
成長の柱は12の産業分野、南部のタミルナド州で[経済]
南部タミルナド州の経済成長の柱となるのは12の産業分野――。インド商工会議所協議会(ASSOCHAM)がこのほど公表した「ビジョン2020」で、こうした見解を示した。当該分野に注力することで、2019/20年度(19年4月〜20年3月)には州内総生産(GDP)を約7兆3,500億ルピーに拡大できるという。ASSOCHAMはこのリポートを同州のカルナニディ州首相に提出する方針だ。エコノミック・タイムズ(電子版)が伝えた。
タミルナド州の07/08年度のGDPは2兆7,438億ルピーと、00/01年度の1兆4,687億ルピーから2倍近くに拡大した。鉄鋼大手JSWスチールの副会長兼社長でASSOCHAMの会頭を務めるサジャン・ジンダル氏によると、これは国内の州で4位の規模となる。
また、08/09年度は前年度比12.3%増の3兆814億ルピーほどになったと推定されている。
06/07年度のデータを産業分野別に見ると、サービス業がGDPの56.6%を占める。鉱工業と農業はそれぞれ30.8%、12.6%となっている。
ASSOCHAMは従来の傾向が続けば、同州のGDPは19/20年度に07/08年度比2.7倍の7兆3,496億ルピーに達すると予測する。内訳はサービス業が4兆7,996億ルピー、鉱工業が2兆4,583億ルピー、農業が5,570億ルピーとみる。
「ビジョン2020」によると、同州で成長分野と目されるのは「情報技術(IT)」「観光」「中小企業」「電力」「医療ツーリズム」「港湾」「食品加工」「映画」「特別経済区(SEZ)」「皮革」「バイオテクノロジー」「先端研究(災害管理など含む)」の12分野。ASSOCHAMは、中でもITに力を入れるべきと提言する。
タミルナド州はソフトウエア、ハードウエア、研究開発(R&D)のハブとしての地位を確立し、国内外の多くの企業が拠点を設置。同州で事業展開するIT企業は1,400社以上で、従業員総数は約27万5,000人に上る。同州からのソフトウエアの輸出額は07/08年度に前年度比38%増の2,849億ルピーとなり、今後にさらなる伸びが見込まれている。また、IT関連全体の輸出額は00/01年度から07/08年度までで年平均34.9%拡大した。
■電力不足が足かせにも
一方、ジンダル氏は中小企業について、「タミルナド州における存在感は絶大なものがある」と説明。同州を拠点とする中小企業は00/01年度の31万4,000社から現在は推定60万社超に増えており、400万人を雇用するという。中小企業の年平均成長率は向こう10年で6%程度となる見通しだ。
このほか、電力も有望な産業で、過去7年で年平均3.7%伸びている。観光は向こう10年で3.5倍に拡大する見込み。
また、タミルナド州政府は州内で66件のSEZプロジェクトを承認済み。このうち、ITおよびIT活用サービス(ITES)関連が37件を占める。州政府はほかに、食品加工、皮革、宝石・宝飾品、繊維、自動車・自動車部品などの産業振興に力を入れている。
ただ、ASSOCHAMは、電力などのインフラ整備の遅れが同州の経済成長の足かせとなる恐れも指摘する。現在、州内では8〜10%の電力不足が生じており、これが企業活動の支障となるためだ。
首都デリーに本部を置くASSOCHAMは、タミルナド州に多くの会員企業を抱える。近く、同州の州都チェンナイに事務所を開設する計画だ。