インド  2009年9月24日(木曜日)
バルティとMTNの統合交渉、さらに遅れも[IT]

携帯電話最大手バルティ・エアテルと南アフリカ共和国の同業MTNグループの統合交渉がさらに長引く可能性が出てきた。インド証券取引委員会(SEBI)が買収規制の改定を決めたことで、当初の条件のままではMTNがバルティへの株式公開買い付け(TOB)を実施することが義務付けられるためだ。ビジネス・スタンダード(電子版)などが伝えた。

SEBIのバベ委員長は22日、西部ムンバイで記者会見を開き、約10年前に施行された買収規制を改定すると表明。米国預託証券(ADR)やグローバル預託証券(GDR)によるインド企業への出資比率が15%を超えた場合には、当該企業へのTOB実施を義務付けるとした。

従来の買収規制では、議決権付きの普通株式の保有比率が15%を超えるとTOBの実施が必要となるものの、ADRやGDRについては普通株に転換するまでは免除されていた。今回の改定は、ADRやGDRの保有者も通常の株主と同等に見なすというものだ。

バルティとMTNは5月、経営統合を見据えた資本提携に関する独占交渉を開始した。当初は交渉期限を7月末としていたが、話し合いが難航していることから2回にわたって延期。現在は今月末の期限に向けて合意を目指しているものの、今回の買収規制の変更で条件の見直しを迫られる可能性が出てきた。

当初の構想では、バルティがMTNの株式49%を取得する一方、MTNは自社株主と共同でバルティに約36%を出資することになっている。MTN側の出資分の内訳は同社自身が25%で、残りがその株主だ。MTNはバルティのADRを取得する予定のため、従来の規制の枠組みではTOBの実施は必要なかったが、規制の改定によってTOBを行わなければならなくなる。

■バルティの会長が首相と会談

一方、この日朝にはバルティのスニル・ミタル会長がシン首相と会談し、MTNとの経営統合に関する問題について話し合ったもよう。インドと南アでの二重上場の是非のほか、MTNによるバルティへのTOB実施の免除などがテーマになったとみられる。バルティとの統合でヨハネスブルク証券取引所(JSE)でのMTNの上場が廃止されるのを南ア政府が懸念していることが、交渉のネックになっているとも伝えられている。

なお、SEBIは今回の買収規制の改定で、インド企業の株式2%以上を取得または売却する際の情報開示義務の規定も変更する。従来は出資比率が15〜55%の企業を対象としていたが、これを15〜75%にするという。

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