インドネシア 2009年10月21日(水曜日)
大統領2期目も目標継続、福祉向上優先[政治]
ユドヨノ大統領は20日、2期目の大統領就任演説で「国民福祉の向上」「民主主義の強化」「法治の改善」を掲げ1期目から政策目標の継続を表明した。また外交面では、主要20カ国(G20)の枠組みを通じて世界経済システムの改革と文明間の調和を促進するとの意欲を示した。

国内政策として、優先課題に掲げる福祉向上では、競争力向上、天然資源管理、人材開発による経済開発の必要性を強調した。
大統領は、ブディオノ新副大統領と策定した向こう100日、1年、5年間の政策を実行すると語った。
大統領選挙時の公約によると、任期を終える2014年の目標は、実質国内総生産(GDP)7%成長(今年の政府目標は4.3%)、インフレ率3〜5%(4.5%)、失業率5〜6%(7〜8%)、貧困率8〜10%(14〜14.5%)を掲げている。
就任演説で大統領は、世界的な金融危機にあってG20中で中国、インドに次ぐ経済成長率を達成するとあらためて強調。国際的なテレビ放送で、過去10年の複雑な問題を克服したことを成功と報じらていると称賛した上で、おごってはならないと戒めた。インドネシアを嵐の海を行く船に例え、解決しなければならない課題が多く残っていると指摘した。
世界の経済が回復の兆しを示しているものの、国内経済の強化による危機の影響を回避する努力が必要と述べ、統治向上や汚職対策など改善するべき項目があると語った。これらの分野で前進はみられるものの、経験則から、成功の後には課題が控えており、国民が団結して問題を克服することで、よりよい生活を手にすることができると鼓舞した。
■不屈、団結、特性維持
大統領は、3項目の目標を達成するためのカギとして、「不屈」「団結」「アイデンティティー維持」を掲げた。
過去の革命、国家開発、改革、紛争解決、津波災害などを不屈の精神で乗り越えてきたと述べ、世界的な危機でも経済成長を達成し、統治の改善、汚職撲滅を達成するにはこの精神が必要だと語った。
また、民主主義では意見の相違を受け入れることができると述べた上で、国家のために政治的な相違を越えて団結することで改革を断行する必要があると説明した。大統領選挙に出馬して落選したメガワティ前大統領、ユスフ前副大統領が民主主義促進に貢献したとして敬意を表した。
またインドネシア人を他国と隔てるものとして文化を掲げ、多様性、良識、寛容、穏健、人間性などが独特のアイデンティティーを築いているとの評価を示した。
■ASEAN共同体を推進
大統領は外交について、全方位外交の姿勢をあらためて強調。平和な世界の秩序、公平さ、民主主義、繁栄を促進するためにどの国・地域とも協力すると述べ、気候変動対策で主導的な役割を目指すとともに、G20を通じた経済システム改革、国連を通じた多国間主義、文明間の調和を促進する意欲を示した。
また地域では、東南アジア諸国連合(ASEAN)共同体の構築による平和で繁栄したダイナミックな地域の創造を目指すと語った。
会場となった国民協議会(MPR)周辺では交通規制が敷かれ、国家警察と国軍兵士1万7,000人が警護する厳戒態勢で就任式が行われた。MPR周辺では就任に抗議する団体などもあったが式典への影響はなかった。
一方、メガワティ前大統領は5年前と同様に式典を欠席。療養中のワヒド元大統領も欠席したことから存命する大統領経験者で出席したのはハビビ元大統領だけとなった。
就任式後に大統領宮殿で日本の渡辺恒三特使を含めた内外の要人から祝意が伝えられている。大統領は21日に閣僚人事を発表し「第2期インドネシア統一内閣」が発足する予定。