シンガポール 2009年11月20日(金曜日)
7〜9月期GDP、0.6%増に下方修正[経済]
通産省が19日発表した7〜9月期(第3四半期)の国内総生産(GDP)成長率(確定値)は、前年同期比0.6%増となり、速報値の0.8%増から下方修正した。前期比(年率換算、季節調整済み)も14.2%増で速報値の14.9%増から伸びが鈍化した。来年についてはプラス3〜プラス5%成長と予想している。

7〜9月期の経済成長率は、前年同期比では前期の3.3%減からプラスに転じたものの、前期比では21.7%増と高成長をみせた前期から伸びが鈍化している。大和証券SMBCシンガポールのエコノミスト、取越達哉氏は同日、NNAの取材に対し「製造業で減速感がみられる。この時期は例年クリスマス商戦向けの出荷が増えるころだが、製造業の景況感を示す購買管理者指数(PMI)や輸出額(NODX、石油と再輸出除く)の最近の統計は伸びが低迷しており、今回の数値はこうした動きが反映された。一方サービス業はおおむね伸び率が加速しており、景気回復のすそ野が広がってきている」と話した。
業種別では製造業が前期比26.6%増となり、前期の58.5%増から大きく減速した。ただ前年同期比では6.6%増で、前期の1.1%減からプラスに転じている。原薬の製造拡大でバイオ医療の生産が堅調だった。
サービス業は前期比で7.9%増から10.8%増に伸長。前年同期比でも4.9%減から2.2%減に改善した。世界的な貿易の回復や海外旅行客の数が戻りつつあることから、ホテル・飲食店、小売り・卸売り、運輸など幅広い分野でGDPが拡大した。前期比ではホテル・飲食店が前期の1.1%減から14.5%増に、運輸・倉庫も0.3%減から11.9%増へと大きく回復している。ただ金融サービスは22.5%増から3.9%増に縮小した。
建設業は前期比0.9%増。前年同期比では12.8%増で、前期の18.6%増から伸びが鈍化した。現在進行中の不動産開発プロジェクトで支払いが遅れたことが響いた。
同省は今年通年のGDP伸び率見通しをマイナス2.5〜マイナス2.0%とし、従来予想を維持した。来年の消費者物価指数(CPI)は、従来予測の1.0〜2.0%から2.5〜3.5%に引き上げた。内国歳入庁(IRAS)が先ごろ、公営住宅(HDBフラット)の年次評価額(AV)を引き上げたことが背景にある。
来年の見通しについては「世界の多くの国・地域で景気が上向いており、シンガポールも国際経済の動向に大きく左右される。アジア地域の経済成長率はプラスを確保する見込みだが、先進国の景気回復の基盤は不安定で、(製造業の)生産高が金融危機前の水準に戻るには時間がかかる。政府の景気浮揚策や在庫循環が経済成長のけん引役となるが、来年下期にはこうした効果が薄れる可能性もある」としている。