ベトナム・インドシナ 2010年2月1日(月曜日)
三菱重工、ハノイ工科大に原発講座開設[公益]
三菱重工業は、今年12月からハノイ工科大学で原子力発電技術に関する冠(かんむり)講座を開設する。同社広報担当者は、「社会貢献を行いながら、ベトナムで原発受注を目指すオールジャパンの一躍を担いたい」と語った。
三菱重工の佃和夫会長が1月下旬、同校を訪問し、協力の調印を行った。三菱重工が講義を行う技術者を派遣する。同大学の原子力学科の学生を対象に毎年1回、2週間の集中講義を行う計画だ。大学の正規カリキュラムの一部として組み込まれ、卒業に必要な単位にもなる。
日系企業が同大学で原子力関連の冠講座を開設するのは2社目。東芝が2006年から開設しているが、単位取得の対象ではなく、同大学の学生以外にも広く一般公開して「原子力文化」の普及・啓蒙活動を実施している。また、07年からは原子力学科の学生のうち、優秀な学生数人を毎年、日本に招へいして短期研修を行っている。同社の担当者は「日系メーカーでは唯一、沸騰水型軽水炉(BWR)と加圧水型軽水炉(PWR)の2つを技術供与できるメリットを、ベトナムでも生かしたい」と語る。
日立製作所は、現在のところ、ベトナムの大学で原子力に関する冠講座を開く予定はないようだ。日本以外ではフランスの動きが活発だという。
関係者によると、ベトナムでは同大のほか、ホーチミン工科大学や電力大学にも原子力の専攻コースはあるが、規模ではハノイ工科大が最大だという。
■FS業者がカギ
ベトナムの原発計画では出力1,000メガワット(MW)の軽水炉型原子炉を2基ずつ備えた発電所を中南部ニントゥアン省の2カ所に建設する予定。昨年11月の国会で承認された。
ただし、BWRかPWRかは決まっていない。4基の総投資額は200兆ドン(112億米ドル)とされ、ロシア・フランス・日本・韓国などが受注に向けて名乗りを上げている。
政府が目指す14年の着工、20年の運転のためには、受注業者は12年までに決まらなければならず、そのための事業化調査(FS)は今から行う必要がある。FSを行う業者が、受注国・メーカーのカギを握るだけに、年内にも決まるFS業者が注目される。ベトナム政府は、各国からウラン燃料や資金供給でより有利な条件を引き出そうとしており、高度な政治判断となりそうだ。<ベトナム>