台湾 2010年2月9日(火曜日)
象印、商標・著作権侵害で全面勝訴[家電]
炊飯器・電気ポットなど製造の象印マホービン(本社・大阪市北区)は8日、台湾企業と係争中だった商標・著作権侵害の裁判で全面勝訴したと発表した。台湾現地の訴訟責任者は3人目まで交代しながら、約10年にわたって行政・刑事・民事訴訟すべてで最高裁レベルまで争っていた。【高田英俊】


象印は台湾で約40年、日本製の炊飯器や電気ポットを販売している。台湾現地法人、台象が委託した市場調査会社の集めたデータによると、炊飯器、電気ポットの市場シェアは「金額ベースでいずれも50%以上」(台象の井上朋子商品処副総経理)と断トツの首位を誇る。台象の年商は約13億台湾元。
象印によると、模倣品は1990年代には市場に出回っていることが確認できており、同社は商標権侵害で2001年5月に行政訴訟を起こした。04年11月には刑事告訴、05年8月には民事で提訴し、ともに昨年秋に結審していた。判決では、同社が主張した商標権と著作権の侵害事実が認められた。特に刑事訴訟では最終的に知的財産権をめぐる係争を専門に審理する「智慧財産法院」が昨年11月、被告に懲役2年(後に1年に減刑)、執行猶予4年の判決を言い渡して判決が確定した。
智慧財産法院は、知財権保護の強化を目指して08年7月に設置された裁判所。台北市日本工商会や交流協会の関係者によると、日系企業の係争に判決を下したのは初めてという。
象印は、請求した賠償金額610万元も満額を得ており、1月に賠償金の回収が済んだため、このほど正式に経緯を公表した。
■英語の誤表記、そのまま盗用
象印の主張は
▼台湾企業「日象控股有限公司」の社名は、「日」と「象」を組み合わせて使用しており、故意に消費者を混同・誤認させる
▼模倣品のロゴは、ゾウの顔が左向きで鼻も上向きであり、自社と類似
▼包装用の箱のデザインが酷似
▼象印が製品に表示したコチョウランの説明文にあるスペリングの間違い「lilly」(本来は「lily」、英語でユリの意)をそのまま使用しており、盗用が明らか
■越・米州へ輸出も
台象はアフターサービスに特に力を入れており、修理品は3日間での返却を徹底している。しかし、日象がカルフールなどで販売していた商品を消費者が修理に持ち込む例が多数あった。日象はまた米国や中南米、ベトナムへも輸出していたほか、類似ロゴを使用したドライヤーなどの家電製品も製造販売していた。
象印が長年にわたって全面的に争ってきたのは「顧客にかかる迷惑を防ぐこと、象印のロゴを守ることが目的」(井上副総経理)。訴訟費用は、最終的に得た賠償金とほぼ同額。ただ、日象による模倣品の販売総額は判明していない。