オーストラリア 2010年3月8日(月曜日)
鉄鉱石契約価格、80%上昇との予測も[資源]
鉄鋼大手のアルセロール・ミタルが4日、今年の鉄鉱石契約価格が前年比で最大80%上昇するとの予測を示した。今年初めに聞かれた最大40%との市場の見方を大幅に上回る水準となる。アルセロールによると、アジア地域の同業からは前年比70〜80%高になるとの意見が聞かれているという。5日付オーストラリアンが伝えた。
今年1月の時点で、オーストラリア・ニュージーランド(ANZ)銀の一次産品アナリストは2010/11年度積みの豪産鉄鉱石価格が同20〜40%高で妥結されると見込んでいた。40%の上げ幅は、当時の市場予測の上限だった。
しかし、中国の地元英字紙チャイナ・デイリーは先ごろ、資源大手BHPビリトンやリオ・ティント、ブラジルの鉄鉱石大手ヴァーレが年間契約額を同50%引き上げることで交渉を進めると報じていた。これによると、BHPは中国鉄鋼企業に対し、スポット価格を基準にした価格設定を目指し、ヴァーレとリオは、昨年度の契約価格とスポット価格の差をとって50%高を要請しているという。
市場では、野村ホールディングスが先週に70%の上昇予測を示したほか、モルガン・スタンレーのアナリストは60%高を予想。「BHPが中国の鉄鋼企業の大半を対象に、インデックス制の契約価格を導入しようとしている」との見方も浮上している。
■積出港の新設も
鉄鉱石需要の高まりで価格上昇が見込まれる中、西オーストラリア(WA)州のバーネット首相はこのほど、ピルバラ地区に大規模な鉄鉱石積み出し港を建設する計画を明らかにした。中国の需要増に伴う鉄鉱石生産量の増大に対応するためで、2015年までの稼働を目指す計画だ。
同首相がパースで開催された豪経済開発委員会(CEDA)で公表した内容によると、豪州の鉄鉱石生産量は昨年の3億8,000万トンから15年には6億〜7億トンに増加する見通しで、既存の港だけでは対応できないという。
同州にとって約40年ぶりの深水港の建設となる。積み出し港の建設予定地は、カラサ東30キロメートルに位置するアンケテル(Anketell)・ポイント。工費は10億豪ドルを上回る見込みで、鉄鉱石採掘大手フォーテスキュー・メタルズ・グループ(FMG)、アクイラ・リソーシズと米石炭大手AMCIの合弁会社APIマネジメント、中国冶金科工集団公司が出資する。WA州政府は、開発推進のための計画費用として350万豪ドルを拠出する。
積み出し港に隣接し、敷地面積1,400ヘクタールの産業区が開発される予定だ。
■チャイナルコが関心示す
また、こうした鉄鉱石関連事業の拡大で、中国企業の豪州に対する関心も高まっている。中国アルミ大手チャイナルコ(中国アルミ業公司)が、資源大手リオ・ティントの役員人事に関心を示している。
チャイナルコの熊社長はこのほど、リオの役員人事に対して、「積極的に模索している」とコメントし、チャイナルコから人材を送り込む意思があることを示唆した。チャイナルコはリオの株式9.3%を保有している。
リオは昨年、チャイナルコからの出資(195億米ドル)受け入れ計画を拒否。チャイナルコ側に和解案を提示したものの、昨年8月には社員4人が産業スパイ容疑などにより中国で逮捕されるなど、豪中間の不協和音は大きくなっていた。
ただ、リオは今月5日、中国事業の代表(社長)に、同国での豊富な経験を誇るイアン・バウアート氏を任命するなど関係改善に注力。バウアート氏は、一次産品で最重要市場の中国での信頼回復と、関係改善・強化を図っていく考えを示している。
役員人事については、年次株主総会(豪州)が開かれる4月22日までに判明する見通しだ。