オーストラリア 2010年3月9日(火曜日)
炭層メタン大手、海外2社から買収提案[資源]
炭層メタン開発大手アロー・エナジーは8日、英蘭系ロイヤル・ダッチ・シェルと中国石油大手のペトロチャイナ(中国石油天然気集団、CNPC)から、買収意向を受けたことを明らかにした。買収総額は少なくとも33億豪ドルに達する見通し。アローが手掛けるクイーンズランド(QLD)州での炭層ガス事業での戦略的ポジションを強化する狙いがあるとみられている。地元各紙(電子版)が伝えた。
アローは2月に、海外事業子会社アロー・インターナショナルを香港またはシンガポールの証券取引所に上場する考えを示していた。シェルはすでにアロー・インターナショナルの株式10%に加え、アローの国内資産の30%に出資している。
シェルとペトロチャイナが共同で提示した買収案は、1株当たり4.45豪ドルに、アロー・インターナショナル1株を付加するというもの。株式公開買付(TOB)を実施して、アロー株の約17%を保有するQLD州の石炭採掘会社ニュー・ホープなどから株式取得を目指す。
ただ、アロー側は株主に対し、現時点でシェルとペトロチャイナからの提案に応じないように呼び掛けている。
■狙いは権益拡大
シェルが、アローの買収に乗り出した背景には、アローがQLD州での液化天然ガス(LNG)プロジェクトを拡大していることがある。
アローは現在、中国やインド、ベトナム、インドネシアなどで炭層メタンガス(CSG)を開発しており、資産推定額は最大で10億豪ドルに達するという。今年1月に明らかにした自社の炭層ガスの埋蔵量によると、推定(2P)埋蔵量は50%以上増の6,150ペタジュール(PJ)、3P埋蔵量は18.6%増の1万1,042PJに増量。昨年1年間で2P・3P埋蔵量を3,458PJ拡大し、目標とした増加幅を1,000PJ上回ったという。デービス社長は、2Pの可採埋蔵量が向こう3年で1.5兆立方フィートに達する可能性もあると述べていた。
また、アローは今年2月、QLD州グラッドストーンのフィッシャーマンズ・ランディングLNGプロジェクトのLNGプラントを含めたすべての設備を買収。同プロジェクトの合弁相手であるパース拠点のLNGリミテッドから子会社のグラッドストーンLNG(GLNG)を買収し、すべての開発権を取得していた。
シェルは12年までに、年間150万トンのLNGをアジア向けに輸出する計画を打ち出している。QLD州の炭層ガス資産は、世界中の石油大手が注目しているともいわれている。
RBSモルガンのバーン主任アナリストは、「買収が成功した場合、シェルとペトロチャイナは、ガスを中国への供給分に充てるのではないか」と分析している。
アローの株価は8日、急上昇した。株価は前日比46.84%上昇の5.11豪ドルで引けた。前年同日(2.49豪ドル)に比べ105.2%拡大。3年前(1.37豪ドル)からは273.0%上昇している。
■AWEは油田開発に着手
一方、シドニーの石油ガス会社オーストラリアン・ワールドワイド・エクスプロレーション(AWE)はこのほど、50%の権益を保有するニュージーランド(NZ)東海岸沖ホキ(Hoki)油田での開発に着手した。同油田の推定埋蔵量は2億5,000万バレルに達するとみられている。
ホキ油田は、NZ北島西部ニュープリマスの西135キロメートルに位置する。
AWEはこれまで、NZのトゥイ油田での生産活動を積極的に推し進めていたが、ここ最近、生産量が低下。2008/09年度通期決算では、純益が前年比66%減の8,860万豪ドルにまで落ち込んでいた。
また、同社は今年、推定埋蔵量が1億バレルとみられているNZのトゥアタラ(Tuatara)油田での試掘なども計画しており、油田発見を目指している。09年にはNZ沖を中心に試掘したが、さらなる油田は発見できなかったという。