インドネシア  2010年3月9日(火曜日)
日本の発電所2件、JBICと融資契約[公益]

国際協力銀行(JBIC)は8日、東ジャワ州パイトン火力発電所の増設と、西ジャワ州チレボン火力発電所の建設に関するプロジェクトファイナンス・ベースの融資契約を、各発電所の独立発電事業者(IPP)と締結した。民間金融機関との協調融資で、民間の融資についてはJBICが政治リスクに関する保証を供与する。







東ジャワ州スラバヤから南東に150キロメートルに位置するパイトン発電所の事業主体は、三井物産や東京電力などが出資するパイトン・エナジー。1999年に稼動開始した既存発電所(容量1,230メガワット=MW)の隣接地に、815MWの発電所を増設する。

この日はJBICや、三菱東京UFJ銀行、みずほコーポレート銀行、三井住友銀行、住友信託銀行など市中銀行8行と、事業費15億1,900万米ドルの8割に当たる総額12億1,500万米ドルの融資契約を締結した。

増設分については2008年8月に、発電所の運転開始から30年間の国営電力PLNへの売電契約を締結。すでに着工しており、2012年4月の完工を見込んでいる。

三井物産は今回のプロジェクトの開発で、世界各国で開発中の案件や昨年12月に買収契約を公表したメキシコの案件を含めて合計5,964MWの持ち分発電容量を保有するという。

一方、東京電力は05年6月、パイトン発電所の事業権益14%を取得し、日本の電力会社として初めてインドネシアのIPP事業に参画。現地に技術者を派遣し、建設工事の品質管理や工程管理などの技術支援も行っているという。

■丸紅、国内初のIPP

一方、チレボン発電所(660MW)の事業主体は、丸紅などが出資するチレボン・エレクトリック・パワー。05年に行われた第1回インフラ・サミットで入札計画が発表され、06年4月にPLNによる入札が実施された。

07年8月に安倍晋三首相(当時)のインドネシア訪問に合わせて開催された日本インドネシア・ビジネスフォーラムで、PLNと30年間の売電契約を交わしていた。建設工事の進ちょくはおおむね当初の予定通り進んでおり、2011年11月の商業運転の開始を予定している。

事業費は約8億5,000万米ドルで、JBICや韓国輸出入銀行のほか、三菱東京UFJ銀行、みずほコーポレート銀行、三井住友銀行など市中銀4行から5億9,500万米ドルの融資を受ける。

丸紅の山添茂常務執行役員(電力・インフラ部門長)は、「日本と韓国が協力するアジア事業」で、丸紅としてはインドネシアで参入する初めてのIPP事業と説明。全世界では40カ国以上で7,600MWの発電事業の実績があり、うち5割がアジアでの事業と述べた上で、「今回の事業を契機に次につなげたい」と意欲を語った。

融資契約の調印式には、JBICやIPP事業者の関係者のほか、ハッタ経済担当調整相やヒダヤット工業相、塩尻孝二郎駐インドネシア大使らが列席している。

■環境支援の一環も

JBICは2006年9月、インドネシア財務省と民間資金を活用した発電事業の実施促進を目的とする包括覚書を締結。また、今年2月には、日本企業にとって大きなビジネスチャンスの見込まれるIPPや地熱発電分野などを重点分野とする定期協議会の開催で合意し、対話を一層強化している。

今回のプロジェクトは、発電設備に二酸化炭素の排出量が少ない技術が導入される。このためJBICによる支援は、08年4月に創設した「JBICアジア環境ファシリティ(FACE)」や、昨年3月に日本政府が表明っした「環境投資支援イニシアティブ」の下での取り組みの一環として行われるという。

<メモ>

パイトン・エナジー

 

株主構成は、三井物産36%、英国企業と三井物産の合弁会社IPMイーグル45%、東京電力14%、地場バトゥ・ヒタム・プルカサ5%。

チレボン・エレクトリック・パワー

07年4月設立。株主構成は、丸紅が32.5%、韓国中部電力27.5%、韓国サムタン20%、地場トリパトラ20%。

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