マレーシア 2010年3月9日(火曜日)
新日鉄が地場鋼板に相次ぎ出資、内需取込み[鉄鋼]
新日本製鉄(東京・千代田)が地場鋼板メーカー2社に相次いで出資する。アジアの好調な需要を背景に、日本からマレーシアに原板を安定的に供給する体制を整えるとともに、出資先企業を通じて現地の日系メーカーや地場企業の要望に対応していく。
広報担当者は8日、NNAに対し「アジアの需要が伸びており、ベトナム、インドネシアなどとともに原板供給体制を整えている」と背景を説明。特にマレーシアは「政治、為替が安定しており、日系企業の数も多い。若年人口も多く、内需が期待できる」と述べた。
今月5日にはリロールメーカーのユン・コン・ガルバニッシング・インダストリーズ(YKGI)が新たに発行する優先株を6月をめどに引き受けることで合意したと発表した。優先株の転換権を行使すれば、全普通株の10%を出資することになる。投資額は1,300万リンギ。
ユン・コンは建設業界で屋根材・壁材として使われる溶解亜鉛めっき鋼板、カラー鋼板を手掛ける。「原板となる熱延鋼板を安定供給し、日系に限らず内需に対応していく」方針だ。
YKGIはサラワク州クチンに本社、同地とスランゴール州クランの2カ所に製造拠点を持ち、溶解亜鉛めっき鋼板(CGL)とカラー鋼板の製造・販売を手掛ける。年産能力は酸洗鋼板30万トン、冷延鋼板25万トン、CGL25万トン、カラー鋼板9万トンとなっている。
また、昨年12月に発表したペナン州プライの電気亜鉛めっき鋼板メーカー、Eガルブ・スチール・インダストリーズへの出資は、1月に手続きを完了した。2,500万リンギを投じて10%株を取得。阪和興業(東京・中央)も15%株を取得し、社名をニッポンEガルブ・スチールに変更している。
マレーシアには日系家電・AV機器メーカーが多数進出していることから、Eガルブに対して日本から原板の冷延鋼板を安定供給し、品質競争力を高めて現地の日系家電メーカーなどへの販売を伸ばす考えだ。
Eガルブはプライ工業団地に工場を持ち、電気亜鉛めっき鋼板の生産能力は年間15万トン。親会社のタット・ギアップはプライを拠点に、鉄鋼の流通、ステンレス加工、磨き棒の製造・販売なども手掛けている。