シンガポール  2010年3月9日(火曜日)
損保ジャパン、地場テネットを買収[金融]

損保ジャパン(東京・新宿)は8日、シンガポールの損害保険会社テネット・インシュアランスを買収すると発表した。取得額は約62億円の見通し。国内で日系企業を主要顧客とする損保ジャパンと、中小企業などを主体とするテネットのそれぞれの強みを生かすとともに、事業インフラの共有、IT(情報技術)投資の充実化を通じて競争力向上、域内での事業基盤強化を目指す。

損保ジャパンの広報担当者は同日、NNAの取材に対し「買収後もテネット社の名前は存続させる。同社の人員は現在約80人で、当社から日本人を数人派遣する予定。ただ具体的な役職や人数などは検討中」と話した。

テネットの親会社フア・ホン・コーポレーションから普通株、優先株のすべてを取得する。テネットは収入保険料で国内第26位の損害保険会社。シンガポールでは数少ない独立系資本の保険会社で、約50年の歴史を有する。傷害保険や火災保険などを中心に特定の市場に特化した戦略で成長を遂げてきた。

日系の大企業を中心に事業展開する損保ジャパンと中堅中小企業や個人向けに強みを持つテネットは業務上ほとんど重複がないことから、今回の買収で補完関係が成立する。今後は両社の強みを生かしつつ、保険料設定や再保険交渉力などを中心に競争力を強化。損保ジャパンが有する保険技術、保険引き受け余力、ノウハウなどの提供を通じてテネットの企業価値向上を図る。

損保ジャパンは1989年に損保ジャパン・シンガポールを開設。08年には東南アジア地域の現地法人支援や内部管理・ガバナンス強化に向け、地域統括会社の損保ジャパン・アジアホールディングスを設立している。東南アジア地域の拠点として、一般的な損害保険の元受け事業以外に再保険も手掛ける。

シンガポールの損害保険市場は2000〜08年度に年平均成長率が9.1%となり、ほかの東南アジア諸国(マレーシア7.7%。タイ10.5%)と比べても遜色(そんしょく)ない水準にある。また東南アジアの元受・再保険のハブとして、持続的な市場拡大が見込まれる。

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