タイ 2010年3月9日(火曜日)
治安維持法を発令へ、反政府活動に対応[政治]
治安監視委員会(委員長:ステープ副首相)は8日の会議で、タクシン元首相派の14日からの大規模な反政府活動に対応するため、バンコク首都圏で治安維持法(ISA)を発令することを決めた。9日の閣議で提案し、承認される見通し。一方、アピシット首相は、反政府活動期間中に予定していた外遊を中止した。
タイ国営通信(TNA)などによると、同副首相は、これまで治安維持法の発令なしに対応できるとしてきたが、一部に暴力行使の計画があるとの情報を得たため発令を決めたと説明した。
発令の期間は11〜23日。適用範囲は、バンコク全域と北郊パトゥムタニ県、東郊サムットプラカン県、中部アユタヤ県の一部。発令は制定以来6回目となる。
同法発令により、非常事態宣言を発令せずに治安維持のための武力行使が可能になる。適用範囲内では国民の移動や通信の自由などの権利を制限できる。
タクシン派の反独裁民主戦線(UDD)は、12日に地方の各地に集結し、14日までにバンコクで合流する計画。100万人を動員すると主張しており、バンコクの各地で集会などを行い、アピシット政権の退陣と総選挙実施を要求する。
警察と国軍は7日までに、昨年4月の反政府活動で占拠された戦勝記念塔ロータリー付近に監視要員を配置した。同ロータリーは都内の交通の要所で、多くの路線バスが発着、通過するほか、南部ホアヒンや東部パタヤなど近郊に向かう乗り合いワゴンの発着場が集まっている。
一方、タクシン氏の側近のノパドン元外相は7日、タクシン氏が暴力的な行為に反対していると表明した。
■東北はナコンラチャシマ集結
東北部ナコンラチャシマ県のプラチャック知事は8日、同県治安当局者らが集めた情報として、東北部19県のUDDのメンバーが12日、同県パクチョン郡ノンサライ行政村(タンボン)に集合する計画があることを明らかにした。
メンバーは14日までにバンコクに向かうが、県当局は制止しない方針。ただ、検問所を設けて武器の検査を行う。
■外遊を中止
アピシット首相は8日、13〜17日に予定していたオーストラリア、ニュージーランド歴訪を中止すると発表した。治安監視委員会が治安維持法の発令を決めたことを受け、不測の事態に備える。首相の外遊計画には反対の声が上がっていた。