フィリピン 2010年3月10日(水曜日)
日比合弁風力、官民両分野と提携加速[公益]
風力発電設備の開発・製販を手掛けるメカロ(本社・秋田県潟上市)と地場との合弁会社メカロ・リオ・ビスタ・エナジー(MOREnergy=モアエナジー)は、独自技術の「スパイラルマグナス風車」の導入で、官民両分野との提携を加速している。先月にはレイテ州のレイテ第1電力協同組合(LEYECO1)と電力供給契約を結んだほか、ビジネス・プロセス・アウトソーシング(BPO)企業向け施設の供給業者とも契約を締結。SMグループが開発するリゾートへの設置でも大筋で合意したとされる。


スパイラルマグナス風車は、通常のプロペラの代わりにらせん状のフィンを付けた円柱翼で風車を回す世界初の方式で、円柱が受けた風を揚力によってさらに増幅するメカニズムを持つ。日本とフィリピンをはじめ、米国、韓国などで特許を取得している。
モアエナジーの湯田倫明社長がNNAに説明したところによると、LEYECO1との事業は、非電化地域の電化と電力不足の解消などを目的とする。風力と太陽光のハイブリッド発電で500キロワット(kW)の電力を供給するもので、1,000世帯以上が恩恵を受けるとされる。
全電力のうち、風力による発電量は約50kWになる見通し。風車2基を設置予定で、設置場所はレイテ島中央部のアブヨン町にあるLEYECO1の変電所敷地内が有力視されている。来月には高さ30メートルの風速計を設置し、2カ月間わたり風力調査を実施。総工費は2億円程度で、資金はエネルギー省傘下の国家電力管理庁(NEA)が提供するという。
■電力不足で導入推進
湯田社長によると、最近の電力不足を受けて、ビサヤ地方の電力共同組合の中で、独自の電力調達先の確保を目指す動きが加速しており、レイテのほか、イロイロ、サマール両州などの電力協同組合も同社の風力発電に関心を示しているという。
公共分野との提携では、パンガシナン州バニ町役場ともこのほど合意した。同町の沿岸部に風車1基を設置し、漁村で使用する製氷機向けの電力を確保する。製氷機は、1日当たり1トンの氷の生産を見込み、地域住民の収入増加に寄与するとしている。
民間分野では、BPO企業向け施設を提供するコムファック・グローバル・グループ(CGG)と、風力発電に関する調査、設備の提供・導入・運営などで契約を交わした。
まずトランスコムがネグロスオキシデンタル州バコロド市に設置しているコールセンターに導入する予定。現在、風力や必要電力量を調査中で、発電量は30〜100kWを見込む。事業費は7,000万〜1億円規模。今後、CGGが提供するイロイロ、レイテ、ネグロスオリエンタル各州のBPO施設へも導入する計画という。
■SMグループと大筋で合意
さらに、SMグループがバタンガス州で開発を手掛けるリゾート「ハミロ・コースト」への導入も大筋で合意したもよう。湯田社長によると、同リゾートでは第1期電源整備として既に太陽光エネルギーを導入しており、モアエナジーは、太陽光とのハイブリッドとなる第2期電源整備を担当する。
同社はリゾート内のビーチクラブや海水の淡水化設備への電力を供給。湯田社長は「6月末までに正式契約を結ぶ見通しで、早ければ年内の導入もありえる」と話している。