シンガポール 2010年3月12日(金曜日)
地場ギンガ、日本で排出枠事業に参入[経済]
地場エネルギー仲介業者ギンガ・ペトロリアムの日本法人ギンガ・エナジー・ジャパン(東京・港)は、中小企業の温室効果ガス排出削減を促進する日本の「国内クレジット制度」の下で、排出枠1万トンを購入する。日本法人は石油製品取引が主力業務だが、日本のクレジット売買仲介事業に本格参入する。現在は買い手が限られているクレジット売買取引で需要家を開拓し、市場の拡大、活性化を後押しする構えだ。
ギンガ・ペトロリアム子会社で環境事業を手掛けるギンガ・エンバイロメント・シンガポール東京支店の担当者は11日、NNAの取材に対し「先月19日に国内クレジット制度で承認されたCDM(クリーン開発メカニズム)プロジェクトのうち19件、約1万トンを計約1,000万円で購入する。今月26日には同制度の(プロジェクトを評価・検証する)審議会で19件のクレジット発行が認められる予定。日本のクレジット売買市場はまだ規模が小さく、仲介業者、購入者も限定されていることから今後の成長を見込んで事業参入した。京都議定書の削減目標達成に向けて国内でクレジットを使いたい企業などにアピールしたい」と話した。海外の企業が日本でしか売買できないクレジットを大量購入するのは珍しいという。
日本では法人格でないとクレジット購入ができないため、同東京支店に代わりギンガ・エナジー・ジャパンが売買仲介業務に携わる。国内クレジットは、中小企業が大企業から資金・技術・ノウハウの提供を受け二酸化炭素(CO2)など温室効果ガスの排出量を削減した場合、認証機関から認められた削減量(国内クレジット)を売却できる仕組み。プロジェクト申請にあたりクレジットの買い手がすでに決定している必要があるため、市場に流通するクレジット量は少ない。中小企業が燃料転換などで排出削減事業に取り組むケースは多いが1件当たりのクレジット量は限られるため、まとまった量の排出枠購入を希望する企業などの需要を開拓する。「国内クレジットが設立された2008年から2013年にかけて、発行が予定されているクレジット量は計79万トンと規模が非常に少ない。エンドユーザー企業の需要を開拓し取引市場拡大に貢献したい」(同担当者)考えだ。
CDMプロジェクト19件には、▽ボイラー燃料の重油から天然ガスへの切り替え▽老人ホームの空調システム改修▽スーパーマーケットの照明のインバーター化――などの案件が含まれる。
ギンガ・エナジー・ジャパンは石油製品や液化石油ガス(LPG)の取引仲介を目的として05年に設立された。このほか日本には商品先物取引を手掛けるギンガ・ペトロリアム東京支店もある。日本人はギンガ・エナジー・ジャパンが6人、ギンガ・エンバイロメント・シンガポール東京支店が3人、ギンガ・ペトロリアム東京支店が3人。