台湾 2010年3月12日(金曜日)
住宅高騰抑制へ、政府が政策動員[建設]
住宅価格の高騰が懸念されているなか、政府が価格抑制のための政策を動員する構えだ。台北エリアを指す「特定地域」での非居住用住宅への増税や、中央銀行による預金準備率引き上げなどが検討されている。一方で、春節(旧正月)休み明け以後は住宅の購入意欲が下がっているとのデータもある。
行政院経済建設委員会(経建会)の蔡勲雄主任委員は10日の立法院の答弁で、「特定地域」での土地増値税の税率見直しに言及した。所有者が住居用に使う場合は引き下げ、投資や投機目的で所有する場合は引き上げることも検討すると述べた。住宅価格が高騰を続けている特定地域については、台北エリアを名指しした。
台湾では不動産取得に際しては土地増値税と契約税、保有には毎年の地価税と房屋(家屋)税がかかる。土地増値税は20〜40%の3段階に分かれている。財政部が10日発表した同税の1〜2月累計額は115億台湾元余りで、同期としてはこの3年で最高だった。住宅購入が増えたことが裏付けられている。
価格抑制の具体策提示を求められた蔡主任委員は、増税に加えて中央銀が分野を絞りこんで貸付限度額に上限を設ける選択的信用調節など4つの手段を挙げている。
特定地域で住宅価格が高騰している理由については、▼低金利での資金調達が容易▼住宅保有に対する利子や税金が低い――の2点を指摘した。しかし、高騰は全域で見られる現象ではないため、全面的な利上げによる価格抑制の必要はないとの考えだ。
■中央銀、金融引き締めに意欲
中央銀の彭淮南総裁も住宅価格高騰には関心を寄せている。価格抑制のための金融引き締め策として選択的信用調節と預金準備率引き上げの「いずれも可能だ」と強い意思を示した。
一方で、最近は住宅購入意欲が下がっているとのデータもある。信義房屋によると、春節後〜今月9日では、1,500万元以上の高級住宅の取引件数が全体に占める割合は前年同期の40%から35%に下がった。
また、住商不動産の調査によれば、物件探しの来店者数は昨年末を100とすると1月中旬に147に急上昇した。ところが今月上旬には104にまで下がっている。
■富邦人寿は投資拡大
こうしたなか、富邦金融控股のキョウ天行総経理(キョウは龍に共)は10日、傘下の富邦人寿生命保険が今年、不動産への投資を拡大する準備があると明かした。
富邦人寿の運用可能資金に占める不動産の額は昨年末時点で540億元。約1兆1,000億元のうち最大で10%を投じる考えで、あと600億元ほどの投資が可能だ。
富邦金控の積極的な不動産投資については、同日の立法院での質疑で「不動産価格高騰の元凶」(国民党立法委員)と批判が高まっている。批判に対して富邦金控は「資金の有効運用」と反論した。11日付台湾各紙が伝えた。