オーストラリア 2010年3月16日(火曜日)
リオ、ダイヤモンド事業に一層のかげり[資源]
資源大手リオ・ティントでは、低迷が続くダイヤモンドをはじめとする鉱石事業が大きな重しとなりつつあるようだ。鉱石事業は先進国での消費に依存しているが、依然として経済回復に至っていない国が多く、同部門での業績改善には時間がかかるとの見方も出ている。ただ、リオでは「世界的にも鉱石は重要なビジネス」という方針を崩していない。オーストラリアン・ファイナンシャル・レビューが伝えた。
リオでは、鉱石事業として、国内外に多数の鉱山資産を保有しているが、業績は低迷している。昨年の純益は、前年の2倍に相当する8億米ドルを計上したが、このうち7億9,700万米ドルは資産売却益だった。
生産量をみても、ダイヤモンドは前年比33%減、ガラス原料のホウ酸は同31%減、プラスチック原料の二酸化チタンは同25%減、タルクは同24%減と軒並み低迷。一方、鉱石事業以外では、金鉱は同141%増、銀鉱は同45%増、精銅は同28%増、鉄鉱石は同12%増、石炭は同5%増、アルミニウムは同4%減と、全体的に増加傾向だった。
事業別の売上高では、鉄鉱石が126億米ドルで最大。以下、◇アルミニウム(120億米ドル)◇エネルギー(67億米ドル)◇銅(62億米ドル)◇ダイヤモンド・鉱石(26億米ドル)◇その他(39億米ドル)――。ダイヤモンド・鉱石事業は、鉄鉱石やアルミニウムの約20%水準にとどまっている。
こうした背景から、投資家やアナリストが鉱石事業に対して懐疑的な見方をしている。鉄鉱石、銅、石炭といった事業は、中国市場での需要増などの影響で大きな利益を達成していることから、鉱石事業に投じている予算をこれらの好調な事業に回すべきとの指摘が出ている。
また、鉱石事業は、先進国の経済成長に業績を依存する部分が大きいという特性もある。2008年のリーマンブラザーズ破たんによる金融危機の影響で低迷した経済から脱していない先進国が多い現状を考慮すると、鉱石事業の先行きは不透明といえる。
ただ、リオ側は依然として、鉱石事業も世界的に見て重要なビジネスだとの見方を維持している。関係者は、「ダイヤモンドと鉱石事業は、世界にリオの存在感を示している」とも説明している。
事業見直しを検討していないリオに対して、業界では「現在、中国との鉄鉱石価格交渉という大きな課題に取り組んでいる」とし、鉱石事業のてこ入れは当面無理との見解を示している。一部では、タルク部門やホウ酸部門の売却も示唆されているが、小規模資産に関しては売却計画を進めるのも時間の無駄との指摘もある。
■社員拘束問題でCEOコメント
一方、中国当局に昨年8月、産業スパイと贈賄の容疑で逮捕されたリオ鉄鉱石部門の社員4人に対して、同部門のウォルシュ最高経営責任者(CEO)は、このほどオーストラリアン・ファイナンシャル・レビューのインタビューに応じた。
ウォルシュCEOは、逮捕された社員4人の裁判に対して、中国当局が適切に判断を下すことを信じ、判決を待っているという。また、「同様の状況が再発しないように、徹底した策を講じている」とも話した。
社員4人の逮捕で滞っていた中国事業については、「現在、上海と北京では事務処理を中心に進めている」と説明し、販売やマーケティング、価格交渉はシンガポールから手掛けている現状を明かした。さらに、「われわれには、何の助けにもならない眠っている時間はない」とし、前進していく必要があると強気の姿勢もみせた。
リオは現在、中国との関係改善に力を入れている。今年2月には中国事業の代表(社長)に、同国での豊富な経験を誇るイアン・バウアート氏を任命する人事を発表。中国との関係改善・強化、信頼回復に注力していくことを示唆していた。