フィリピン 2010年3月29日(月曜日)
ルソン島に新幹線、サンミゲルが検討中[運輸]
マニラ首都圏を中心にルソン島の南北を結ぶ高速鉄道(フィリピン版新幹線)の計画が浮上してきた。プロジェクトを提案しているのは、大手コングロマリットのサンミゲル・コーポレーション(SMC)。スターなどが伝えた。
サンミゲルのラモン・アン社長兼最高経営責任者(CEO)は、既に「新幹線の運営に豊富な実績を持つ外国系企業」を含む事業体に事業化の可能性を調査するよう依頼したと発表。年内に正式な提案を政府に提出する方向性を示唆した。計画の具体化については、「政府による用地確保次第」との見方を示している。
スターによると、敷設計画ルートは◇マニラ首都圏〜ルソン島北部のラオアグ(北線)◇首都圏〜ビコール地方(南線)――。
北線予定区間は現在、バスなどが12時間で結んでいる。南線予定区間では数年前までフィリピン国有鉄道(PNR)が「ビコールエクスプレス」を運行し、1日最大約2万人を輸送していた(5月までに運行再開予定)。両区間に時速300キロメートルの新幹線が開通すれば、飛躍的に所要時間が短縮する。アン社長は「周辺地域の経済や観光産業に与える効果は絶大」と説明している。
サンミゲルはまた、「東南アジア初となる高速鉄道の開通」を強く意識。既に日系企業などの参加で具体化が見込まれるベトナムの南北高速鉄道計画に対抗心を燃やしているようだ。
ベトナムの高速鉄道は、首都ハノイ〜南部のホーチミン市間(1,555キロメートル)を結ぶ。投資総額は560億米ドルに達する見込みで、2012年の着工、20年の部分開業を目指している。ベトナム鉄道総公社(VR)によると、日本政府などの援助で今年6月に事業化調査(FS)がスタートする予定という。
■クラーク空港拡張にも意欲
サンミゲルはまた、クラーク自由港のディオスダド・マカパガル国際空港(DMIA)拡張事業にも参加する方針だ。既に開発計画案をCIACに提出したコンソーシアム「フィルコ・エアロ・グループ(PAG)」への参加を検討しているもよう。
26日付ビジネスミラーによると、PAGは地場系ペンソン・アンド・カンパニーと韓国系ポスコ、サミル・プライスウオーターハウスクーパーズ、韓国開発銀行などが構成する合弁事業体。
ペンソンのリカルド・ペンソン社長はサンミゲルと「非公式な打ち合わせ」を進めていると認めながらも、「まだ具体的な内容は決定していない」と打ち明けた。
サンミゲルは26日にフィリピン証券取引所(PSE)に提出した報告で、新幹線プロジェクト、クラーク空港拡張プロジェクトのいずれについても、計画している事実を認めている。