香港  2010年4月8日(木曜日)
粤港連携協定を締結、一体化へ方向性明示[経済]

香港と広東省は7日、地域間協力をいっそう推進するための「連携枠組み協定」(協定)を締結した。インフラ、金融、観光、教育、環境、社会保障、治安など多分野における方向性を具体的に示す内容。これまで積み重ねてきた協力関係を土台に、今後の指針が文書として明確に定められたことで、両地一体化への流れに拍車がかかることが予想される。



曽蔭権(ドナルド・ツァン)行政長官と黄華華・省長が、北京の人民大会堂で習近平・国家副主席ら立ち会いの下に調印した。中央政府が「お墨付き」を与えた形であり、協定は両地間だけの取り決めにとどまらず、中央の意向を反映した文書としての意味を持つことになる。

香港と広東の連携について、中央政府公認の綱領が定められるのは今回が初めて。昨年1月に中央政府が発表した「珠江デルタ地区改革発展規画綱要(2008〜20年)」(規画綱要)を踏まえ、両地政府が1年がかりで策定作業を進めてきた。今後は協定の内容を正式に国家レベルの大方針に引き上げるべく、来年から始まる中国の第12次5カ年計画(11〜15年)に盛り込まれるよう働きかけていく方針だ。

■世界クラスの新経済エリア

協定は「総則」「インフラ」「現代サービス業」「製造業とイノベーション」「ビジネス環境」「良質な生活圏」「教育と人材」「重点協力エリア」「地域協力の長期計画」「運用機構」「その他」の全11章から構成されている。

総則では、インフラや公共サービスにおける両地の一体化を進め、活力と潜在力、国際競争力を備えた「世界級の新経済区域」を構築すると表明。広州や深センが支えることで香港の国際金融センターとしての地位を引き上げるとともに、香港のサービス業と広東の製造業の優位性を組み合わせた産業発展を目指すとうたった。

具体的な青写真としては、インフラ関連では◇港珠澳大橋の16年完成◇深セン東部越境高速道路の10年着工◇広深港高速鉄道の15年全線完成――などを明記している。

協定はまた、基本文書に加えその時々の状況に応じて毎年の重点作業目標を策定する。今年はまず金融分野で◇人民元貿易決済の拡大◇両地銀行の相互支店開設の奨励◇広東企業の香港における人民元銀行融資と人民元建て社債発行の実現◇広東企業の香港上場奨励――などを掲げた。製造業やサービス業では、広東省が全国に先駆けて新たな経済開放政策を実施する「先行先試」の拡大などを打ち出している。

曽蔭権(ドナルド・ツァン)行政長官は「『規画綱要』と『中国本土と香港との経済緊密化協定(CEPA)』は香港が祖国発展に関わる入り口とすれば、『協定』はその扉を開くための鍵だ」と指摘。「香港と広東の協力関係に新たな歴史の1ページが加わった」と強調した。<香港>

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