オーストラリア 2010年6月1日(火曜日)
ソロモン諸島で金鉱再開発へ:産金アライド、課題山積みも[鉄鋼]
クイーンズランド(QLD)州に拠点を置く産金会社アライド・ゴールドが、総額1億6,000万豪ドルを投じてソロモン諸島にあるゴールド・リッジ鉱の開発を再開した。同鉱は汚染問題などにより生産停止に追い込まれており、鉱山収入に依存してきた地元経済は大きく後退していた。地元では早期の生産開始に期待しているという。
ゴールド・リッジ鉱は1990年代後半に、当時QLD州を拠点としていたロス・マイニングが開発を開始。98年から2000年半ばまで、ソロモン諸島全体の収入の約3割を占めるまでの事業に拡大した。ただ、その後、ブリスベーンの実業家デニス・ラインハルト氏とメルボルンの法律事務所スレーター&ゴードンが、ゴールド・リッジ鉱から流出する汚染物質をめぐって訴訟を起こしたほか、国内で部族間抗争が激化するなど、事業を取り巻く環境が悪化。ロス・マイニングは00年、デルタ・ゴールドに買収された。
ゴールド・リッジ鉱はこの後、幾度も所有者が変わってきたが、アライドが昨年12月に当時の所有企業であるオーストラリアン・ソロモン・ゴールドを買収。アライドの会長兼最高経営責任者(CEO)であるマーク・カルーソー氏(48)は、首都ホニアラにある国際空港から車で約1時間という好立地に恵まれた同鉱について、生産開始後20カ月間で22万オンスの産金量を見込んでいる。
■幾多の問題も
ただ、再開発を進めるにあたり、解決すべき問題は多いようだ。00年初頭に国内で見られた反政府武装グループ同士の抗争にからむ賠償責任問題のほか、汚染問題も残されている。アライドは、「今後ゴールド・リッジ鉱の生産過程で生じる廃石などが地元の水資源を汚染することはない」と説明しているものの、過去10年間の汚染物質は依然としてダムに蓄積されており、今も住人によりその水が利用されているという。
ただ、取り組むべき課題が残されている一方で、同鉱の再開発による経済効果に期待する声も上がっている。地元の土地所有者評議会の会長を務めるディック・ダグラス氏は、「地元住民はゴールド・リッジ鉱の生産再開に注目している」と説明。再開発に伴い必要となるサービスやインフラ需要に期待しているからだ。同氏は、「生産が停止した際、地元経済は後退した。生産再開に伴い、地元地域は再び活気を取り戻すことができる」と期待感を示した。
現在、130平方キロメートルの鉱山地域内には356件の住宅があり、約2,000人が居住。アライドは800万〜1,000万豪ドルを投じて住宅の建て直しを進めている。地元地域は金価格の上昇によりロイヤルティー収入を得ることができるため、金価格が高水準に達している今、生産再開に対する期待もより高まっているようだ。