ベトナム・インドシナ 2010年7月15日(木曜日)
仏大使「越原発を積極推進」:総合力アピール[公益]
フランスがベトナムの原子力発電所プロジェクトに積極的だ。ジャン・フランソワ・ジロール駐越フランス大使が14日付ベトナム・ニュース(VNS)のインタビューで、ベトナムにおける原子力関連事業に注力する意向を表明した。
石油の使用を削減しているフランスは、国内の電力の85%を原子力発電に頼っている原発大国。同時に海外への原発関連の輸出を推進しており、インドなどでも仏国営原子力企業アレバが展開を進めている。こうした中、ひっ迫する電力需要に対応するため政府主導で原発開発に力を入れているベトナムへの期待も大きい。
ジロール駐越大使は1789年7月14日のフランス革命を祝う「パリ祭(バスティーユ・デイ)」に合わせたVNSのインタビューに応え、この中で、「フランスは原子力分野で世界的な先進国の1つだ」と強調。その上で、「わが国は原発の設計や運営、核燃料の管理、さらに核廃棄物の処理まで総合的な原子力産業を構築している」と述べた。同時に、「フランスは原子力分野でベトナムに協力する体制をすでに整えており、このことはベトナムの原発プロジェクトの大きな助けになるだろう」と大きな自信を見せている。
ただ、ベトナムの原発分野にはロシア、米国、日本などがラブコールを送っており、世界の強豪が受注獲得に向けてしのぎを削っているのが現状だ。
ジロール大使はこれについて、「フランスとベトナムは原子力関連の科学・技術の分野、核の安全性や技術者の訓練といった点で数年前から協力している」と、両国の緊密な関係をアピールした。また、昨年11月にはフランスのフィヨン首相が同国の首相として初めてベトナムを公式訪問し、グエン・タン・ズン首相と会談。これに合わせ、両国は平和目的での原子力エネルギー開発に関する2国間協定を結んでおり、着々と原子力分野での協力体制を整えている。
直近では、今年5月末に首都ハノイで開催された「第4回ベトナム国際原子力発電展示会」にアレバやフランス電力公社(EDF)をはじめとした複数のフランス企業も参加。セミナーを開いたほか、同国のブースでは各企業の年配社員のベトナム系フランス人が気軽に技術や冗談話をベトナム語で交わす姿などがみられた。かつての宗主国としてベトナムに影響を与えてきたフランスだが、同国内にはベトナム系住民もおり、歴史・人的なつながりも根強いようだ。
■貿易・投資も促進
フランスは原子力分野以外でもベトナムへの投資を推進する意向だ。ジロール大使によれば、ベトナム計画投資省とフランス政府は、2国間の貿易を推進するための協議会の新設を進めている。この協議会は11月23、24日の両日、ベトナムとフランスの企業のビジネスマッチングを行う催しを開く計画という。
またフランス企業によるベトナム視察も活発化しており、「フランスの中小企業の対越ビジネスの拡大や、ベトナム市場を調査する機会につながっている」(ジロール大使)。