ベトナム・インドシナ 2010年7月27日(火曜日)
中国・広東核電と越が協力?:原子力エネ研、不可解な覚書[公益]
中国・広西チワン族自治区の中越国境に接する防城港市に今月末、原子力発電所が着工されることがベトナムでも報じられ懸念が広がる中で、同原発を建設する国営・広東核電集団(CGNPC)が21日、科学技術省所属のベトナム原子力エネルギー研究所との間で、原子力の利用協力に関する覚書に調印した。ただ、どのような意図で両者が覚書を交わしたかは不可解な点が多い。23日付ベトナムネットなどが報じた。
署名の式典には、レ・ディン・ティエン科学技術次官も立ち会った。
覚書に直接調印した原子力研究所のレ・バン・ホン副所長によれば、覚書は、両国政府が2000年に調印した原子力の平和利用に関する協力協定に基づくもので、情報や経験の交換、人材養成支援など、両者間の協力の一般原則を定めている。
ただ、ホン副所長は中国の原発技術について、「(旧世代の)第2世代または第2世代改良型で、米国、ロシア、フランスの技術には比べられない」と述べており、中国との協力に積極的な姿勢を見せていない。
ホン副所長は、防城港原発の建設について、「国境近くに建設する原発は、近隣国に不安を与える。私自身もその不安を感じている」と述べ、通常運転時および事故発生時の放射性物質の漏出がベトナムの環境に与える影響について独自に研究する提案を科学技術省に対して行う考えだ。
ホン副所長によれば、研究には中国からの情報提供が必要で、防城港原発を建設する広東核電集団から直接情報提供を受けるほか、国際原子力機関(IAEA)の規定に基づいて、中国側に情報提供を求めることもできる。IAEAの規定によれば、原発を建設する国は、IAEAに加盟する近隣諸国に情報提供しなくてはならない。ホン副所長のこうした言動からは、「防城港原発を監視するための協力」、とも映る。
広東核電集団が建設を担当するのは1号炉と2号炉で、いずれも今月末にも着工され、15〜16年に運転を始める予定。建設地は、北部クアンニン省モンカイ市から約60キロしか離れていない。