タイ  2010年7月29日(木曜日)
日医工、東南アジアで販売へ:DKSHと提携、タイで12年に[医薬]

ジェネリック医薬品大手の日医工(富山市)は28日、バンコクでスイスのDKSHグループとタイ、マレーシア、香港での販売に関する総代理店契約を交わした。日本のジェネリック医薬品会社が東南アジアに進出するのは初。日医工はこれら3カ国・地域の富裕層をターゲットに、向こう5年内に年間15億円の売上高を目指す。タイでは2012年の販売開始を予定している。【吉岡由夏】



契約調印式には日医工の田村友一社長、DKSHヘルスケア事業部のチャールズ・トゥーミー上級副社長のほか、タイ、マレーシア、香港の各代表が出席した。契約期間は当初10年間だが、トゥーミー副社長は「提携関係が長期にわたって続くことを望んでいる」と語った。

日医工は2009〜12年度の中期計画で、12年11月期決算の売上高を1,400億円(09年度比155%増)に引き上げ、世界のジェネリック医薬品メーカーの上位10位入りを目指す。田村社長は「日本のジェネリック市場が拡大する中で海外企業との競争が激化している。日本以外でも海外企業と競争する必要があると感じ、世界の力を取り込む必要性を感じた」と説明。海外展開で成長に弾みをつけたい考えだ。

タイ、マレーシア、香港の3カ国・地域を選んだのは、提携先であるDKSHがこれら地域のヘルスケア市場で高いシェアを占めていること、富裕層が成長していることの2点。3地域の富裕層向け私立病院のジェネリック医薬品市場は計1,500億円規模。日医工は5年内にこのうち1%にあたる15億円の売上高を計上したい意向だ。

マレーシアと香港では今年度中に医薬品の承認申請を行い、来年度には販売を開始する予定。タイは来年度中に申請、12年度の販売を目指す。医薬品の申請品目は重複するものも含めタイ12品目、マレーシア13品目、香港7品目で、3年内に重複を除き計30品目を販売する計画という。

同社は日本国内5カ所の工場で700品目以上の医薬品を製造しており、東南アジアには日本から出荷する。田村社長によると海外に工場を建設する計画はないが、将来的にDKSHの医薬品製造子会社オリックのアユタヤ工場を活用し、梱包を行うことも検討している。

また、日医工は日本全国に医薬情報担当者を配置して品質や安全性など情報提供に努めており、同社長によると、海外でも同様の体制をとるという。医薬品の承認前にタイでは4〜5人、マレーシアと香港では各1〜2人を日医工専属チームとして採用する予定だ。



■DKSH、10%増収予測

DKSHのトゥーミー副社長はNNAに対し、「日医工とは日本において医薬品原料の輸入に関して10年近い取引があり、東南アジアで提携できることをうれしく思っている」と述べた。日本市場で強い日本の製薬メーカーがアジアでは活躍していないことから、4〜5年前からアジアで日本企業の製品の販売を手掛けるようになったという。タイでは昨年、久光製薬や第一三共製薬などと業務提携した。ジェネリック医薬品メーカーとしては「日医工以外との提携は考えていない」(同副社長)という。

DKSHのヘルスケア事業部はアジア・欧州の13万軒以上の病院や薬局などに医薬品や医療機器を販売しており、昨年の売上高は3,135億円だった。タイのヘルスケア市場でのシェアは1位。タイでの昨年の売上高は約500億バーツで、今年は10%の成長を見込むという。

■次のターゲットは

日医工の田村社長は、中国やインドの市場規模が大きいことは認めるが、高付加価値の医薬品の販売という点においては疑問が残るとの考え。中国でも上海や香港など富裕層が成長する地域には関心があるが、インド進出には関心がないと述べた。

東南アジアに続く市場としては、2年内に米国への参入を目指しており、ここでもDKSHのような強い企業と組むことが重要とした。

日医工の09年11月期決算の売上高は前年度比28%増の548億600万円で、毎年2けた成長を達成している。05年にマルコ製薬、オリエンタル薬品工業、08年にテイコクメディックスを子会社化したほか、今年5月には仏サノフィ・アベンティスグループと日本でジェネリック医薬品事業を共同展開することで合意した。

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