タイ 2010年7月30日(金曜日)
今年は11万台販売目指す:ホンダ現法社長独占インタビュー[車両]
タイ工業連盟(FTI)が今年の生産台数目標を156万台に引き上げるなど、活況が続く自動車業界。全体的な底上げの中で、乗用車の販売が5月は前年同月比60%増、6月は76%増と上昇幅を伸ばしており、小型低公害車「エコカー」をはじめとする小型車人気の高まりが注目される。すでに来年のエコカー投入を発表しているホンダの現地法人ホンダ・オートモービル・タイランド(HATC)の藤本敦社長に、今年の業績見通し、エコカー計画の進ちょく状況について話を聞いた。【南堂知子】
「今年の業績見通しを教えて下さい」
今年の国内販売台数が10万台を超えるのはほぼ間違いなく、11万台ほどになるのではとみている。また、輸出は6万台に達する見通しだ。輸出の7割を占める豪州向けが順調に伸びている。今年の生産台数は17万台を見込んでいる。昨年は13万台を生産した。現在の年産能力は第1、第2工場それぞれ12万台。昨年は1直体制が続いたが、今年4月の連休明けからは第2工場を2直に切り替えて増産している。
「来年中に低公害小型車「エコカー」を投入すると発表していますが」
現在はすでに試走段階に入っている。1月にインドで発表した小型車「ニュー・スモールコンセプト」のコンセプトに沿ったものとなる。外観デザインはエッジの効いた「シャープさ」が特徴だ。ただ、タイの消費者は自動車に求めるものが多いため、インドのモデルにいろいろなオプションを加えることになる。インド、タイの2国で生産し、それぞれの国内市場で販売する計画で、2国間での部品の分担生産が増える。インドで生産された部品の信頼性も十分安心できる品質レベルだと認識している。
今回は日本で発売済みのモデルを移管して生産していた従来の在り方と異なる、海外限定車種となる。新規にインド、タイの現地サプライヤーを多数採用しており、コスト削減と同時にそれぞれの国の自動車業界の持つ技術力向上にもつながるだろう。
「エコカー基準の『燃費が1リットル20キロ以上』は厳しいのでしょうか」
日本国内の車種と比較してもトップレベル。かなりの高水準だ。タイ政府はまた、代替燃料の普及にもかなり力を入れている。アジア諸国でここまで積極的に取り組んでいる国はなく、政策は高く評価できる。農業人口の減少や石油価格の上昇、環境問題への意識の高まりなどから、タイ政府が従来のピックアップトラック依存の生産体質への危機感を持っていることがエコカー政策の背景にあるとみている。他社メーカーも徐々に乗用車市場へ重心をシフトしてくるだろう。乗用車のみを生産販売する自社としては、今後の競争力強化がさらに大きな課題になってくる。
「下半期の計画を教えて下さい」
年内に新モデルを投入する予定はない。乗用車市場での競争激化に合わせ、年内はリテンション(顧客維持)の向上に注力する。ディーラーでのイベント開催の頻度を上げ、さまざまなアクティビティを開催して販拡につなげていく計画だ。