オーストラリア 2010年8月9日(月曜日)
テレビ広告市場が活気:デジタル放送の人気拡大で[媒体]
民放ナインが、2012年に開催されるロンドン五輪の広告スポンサー獲得に向けて動き出した。出資企業と最大2年契約を結ぶ「広告キャンペーン戦略」を実施し、1億5,000万豪ドルの広告収入を目指す計画だ。デジタル放送による広告収入が好調な伸びを示していることから、各社が各種戦略を打ち出し収益拡大を図っている。
ナインはこのほど、主要スポンサー企業と1社当たり900万〜1,000万豪ドルで1〜2年間の契約を結ぶ計画を明らかにした。すでにスポンサー関係者や国際オリンピック委員会(IOC)、豪オリンピック委員会(AOC)を集めて会見を開いたという。
ナインのジンジェル最高経営責任者(CEO)は、「契約期間が長いとの声もあるが、五輪は世界イベントということもあり、企業からの反応はおおむね良好」と説明。長期契約を結ぶことで、スポンサー企業との関係強化も図っていく方針だ。
ナインによると、ロンドン五輪の放映権料は5,500万豪ドル、番組制作費は2,500万豪ドルになる見通しという。
■広告収入は約20%増
メディア調査会社SMIによると、2010年上半期のテレビ(TV)広告収入は前期比18.9%増の13億9,000万豪ドルに達した。このうち約10%がデジタル放送だった。
10年上半期の広告収入は先ごろ、地上波無料TVの業界団体フリーTVオーストラリアもデータを発表しているが、メディア調査会社のSMIも新たに同様の集計データを公表。同社は、無料TVの広告の87%をカバーする広告代理店13社からデータを集めている。
広告市場のシェアは民放セブンが38.8%、ナインが31.2%、テンが30%で、順位はフリーTVオーストラリアと同じ。各局のシェアにデジタル放送が占める割合はそれぞれ、セブンの「セブン・トゥー(7Two)」が1.64%、ナインの「ゴー!」が1.63%、テンの「ワン」が1.16%となった。デジタル放送の上期の広告収入は約1億豪ドルで、全広告収入の7%を占めた。
デジタル放送の視聴率拡大に伴い、テレビ各社が広告料を引き上げている。08年の金融危機で削減していた企業の広告マーケティング費用も増加傾向にあることから、テレビ各社はスポンサー企業の囲い込みに注力。好調な豪州経済に、視聴率上昇が後押しし、テレビ業界の収益が拡大しているようだ。