フィリピン 2010年8月9日(月曜日)
民放ABCが英字紙に出資:報道体制の充実狙う[媒体]
民放テレビ局ABC(TV5)を運営するアソシエーテッド・ブロードキャスティング・カンパニー(ABC)が、英字紙インクワイラーを発行するフィリピン・デーリー・インクワイラー(PDI)の株式10%を取得した。
6日付インクワイラーなどによると、ABCは4日にPDI株の取得を完了したもよう。株式はパット・ガルシア氏、ベン・パンギリナン氏(ABCの親会社メディアクエスト・ホールディングスを運営するマヌエル・パンギリナン氏とは無関係)から購入したと報告しているが、取引額などは公表していない。
今回の取引について、TV5のレイ・エスピノサ社長兼最高経営責任者(CEO)は5日、「TV5の報道体制をさらに充実化するためで、経営権を握ることが目的ではない」と説明。PDIも「新たな出資者を迎え入れることにより、経営の安定化を図れるなどのメリットが期待できる」とコメントしている。
メディアクエストは既にインクワイラーと競合するフィリピン・スター、経済紙ビジネスワールドの株式も保有していることから、国内の主要3紙がメディアクエストと関係性を持つことになる。
■主要紙への出資目的は
今回の株式取得によりABCはPDIに取締役1人を派遣する権限を持つことになるが、PDI側は「ABCがインクワイラーの制作方針に影響を与えることはない」と楽観的だ。市場関係者の多くもほぼ同様の見方で、2トレード・アジアの投資アナリストであるリッチモンド・バタ氏は「インクワイラーの運営権掌握でなく、TV5とのシナジー効果を考慮した結果」と分析している。
一方、PCCIセキュリティーズのアナリスト、パウル・バラオイン氏は「TV5事業の一環として印刷媒体の発行を念頭に置き、取締役派遣に必要な株式を保有することで、インクワイラー首脳陣と交渉しやすい立場を得ようとしたのではないか」と推測している。