フィリピン  2010年8月16日(月曜日)
「向こう6年で観光客倍増」:リム観光相、講演で強調[観光]

アルベルト・リム観光相は先週、マニラ首都圏マカティ市内のホテルで開かれた有力経済団体マカティ・ビジネス・クラブ(MBC)と在フィリピン欧州商業会議所(ECCP)の合同会合に出席し、アキノ政権下の観光政策について語った。同相は、観光客数の倍増などを掲げている。



「観光におけるアキノ政権のビジョン」と題したこの講演会には、地場の企業経営者をはじめ、同国内でリゾート開発やホテル経営など観光産業に従事する欧州、豪州、米国、日本からの関係者らが出席した。

リム観光相は、フィリピンを訪れる外国人観光客数が今年通年で330万人に達し、過去最高を記録する可能性を示唆。在外フィリピン人を含む国内外からの観光客が年々増加しており、観光収入は現在、国内総生産(GDP)の6%を占めることに言及した。その上で、アキノ大統領の任期である向こう6年で、◆年間の観光客数を600万人に倍増させる◆188億ペソの観光収入を得る◆観光分野で新たに300万人分の雇用機会を創出する――ことを目指すと明らかにした。

■自治体と民間の協力を重視

リム観光相は、これらの目標を達成するためには、まず道路や空港、ホテル、リゾート施設、発電所など観光に不可欠なインフラ整備を行うことが必要と指摘。さらに、自治体と民間企業の協力を通じて、スペインと米国による統治の影響を受けたフィリピンの独特な歴史や文化、各地方の特産品、充実したヘルスケア・サービスなど、観光客を引きつける要素をアピールする必要性を強調した。



講演後に出席者から「フィリピンの観光開発は、セブ、ボラカイ、ボホールなどフィリピン中部(ビサヤ地方)に集中している」と指摘を受けたリム観光相は、「確かに有名観光地では、ほかの地域に比べて観光開発が進んでいる所が多い」と認めた上で、アキノ政権下では、地域差を縮小し、全国一丸となって観光を振興していく方針を示した。

今後、特に注力していく分野として、リム観光相は、「医療観光」と「海外からの退職者誘致」を挙げた。医療観光では、これまでスパやマッサージなどの健康・癒やしのサービスを観光の一部とする「メディカル・ツーリズム」に注力してきたが、今後は、手術や医薬品を用いた治療を主な渡航目的とした「メディカル・トラベル」に焦点を当てていくと説明。医師が流暢(りゅうちょう)に英語を話すこと、低価格で世界水準の医療サービスを受けられることを全面的にアピールしていくという。また、退職者誘致では、東南アジアで先駆けとなったマレーシアに続くことを目標にするとしている。

■航空問題は多くを語らず

アキノ政権下で計画している大規模な観光振興を説明する一方、リム観光相は、現在、フィリピン国内で問題となっている空港の安全性やフィリピン航空(PAL)の操縦士不足については、明言を避けた。

同観光相は、「空港や操縦士不足の問題は、観光振興の妨げになると考えられるが、今後、どのように取り組んでいく見通しか」というNNAの問いに対し、「われわれ政府は、問題解決に向けて話し合いを進めている。操縦士不足の問題に関しては、PALが介入を必要とするならば、観光省は手を差し伸べる準備はできている」と説明するにとどまった。

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