シンガポール  2010年8月16日(月曜日)
小売業、不況も昨年4%増収:低価格戦略のスーパーけん引[商業]

シンガポールの昨年の小売業界は不況に見舞われたにもかかわらずおおむね好調な業績を維持したことが、英調査機関ユーロモニター・インターナショナルの調べで分かった。大手の総売上高は前年比4%増加した。特に低価格帯の商品を全面に打ち出したスーパーマーケットが堅調な伸びを示した。日系小売ではシンガポール高島屋が4位で最高だった。



大手小売業者の総売上高は前年の71億9,700万Sドルから74億9,100万Sドルへと4.1%伸びた。上位10社の多くが前年比で1.3〜3%の増収を確保している。

1位はスーパー「NTUCフェアプライス」やコンビニ「チアーズ」などを運営する労組系NTUCフェアプライスで前年比10.0%増の18億3,200万Sドル。同社の広報担当者は13日、NNAの取材に対し「株主総会前で詳しい業績は公表できないが、昨年は景気低迷にもかかわらず販売は比較的順調だった」と話した。ユーロモニターによると、強い資本力を武器に不況の中で低価格帯の商品を積極的に投入したことが奏功したとみられる。プライベートブランド(PB、自社企画)製品の割引率をさらに5%引き下げたことも集客力向上につながった。

2位はスーパー「コールドストレージ」やコンビニエンスストア「セブン―イレブン」などを展開する香港系デアリー・ファームで5.9%増の17億5,300万Sドル。3位には地場スーパー「シェンシオン」(6億5,400万Sドル)がランクインしており、地元の消費者になじみが深いブランドの健闘が目立った。

■日系は3社がランクイン

日系ではシンガポール高島屋(4位、4億6,800万Sドル)、シンガポール伊勢丹(9位、3億4,800万Sドル)、ベスト電器(10位、3億3,000万Sドル)の3社が上位10位内に入った。高島屋は2010年2月期決算でシンガポール高島屋について「世界的な景気後退による個人消費の低迷に加え、相次ぐ新商業施設開業の影響で売上高は前年を下回ったものの、営業費の削減などにより営業利益は前年を上回った」と発表していた。

このほか大手家電量販店ハーベイ・ノーマンを運営するペルタマ・ホールディングスは3億8,200万Sドルとなり、前年をわずかに下回っている。

昨年の小売業界は、不況の影響で時計・宝石、家電、高級アパレルなど高価格帯の商品の売れ行きが伸び悩んだ。一方で、「313@サマセット」「アイオン(ION)オーチャード」「タンピネス1」など新商業施設が相次いで登場し、低中価格帯の商品を中心に消費者の購買意欲が喚起されたとみられる。

アジアの国・地域別では、シンガポールの総売上高の伸び率は香港(4.1%)と並んで最低水準となった。最も伸び率が高かったのはベトナムで32.2%増。これにインド(16.3%増)、インドネシア(13.9%増)、マレーシア(11.0%増)、タイ(10.7%増)が続いた。

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