オーストラリア 2010年8月18日(水曜日)
物価安定で金利据え置き:準備銀、8月の議事録公表[経済]
豪連邦準備銀(RBA)が3日の理事会で、政策金利を4.5%に据え置いた背景が、17日に発表された議事録の内容で明らかになった。4〜6月期の消費者物価指数(CPI)がインフレターゲット(2〜3%)範囲に収まったことで、利上げ要因が見当たらなかったという。また、依然として不安定な世界情勢に柔軟に対応するための措置との見方もある。【豪州編集部・安藤久史】
議事録では、年初に問題視していた住宅価格についても、落ち着きを取り戻したと指摘。4〜6月期のCPIはトリム平均値が年率2.7%と、2007年4〜6月期(2.7%)の水準となった。連邦政府が5月1日から、たばこ税を25%引き上げたにもかかわらず、前期(3.0%)に比べ0.3ポイント下落。当分の間、同水準でCPIは推移し、景気は安定するともみている。
また、ギリシャの信用不安に端を発する欧州の債務危機については、7月末に実施されたストレステスト(健全性審査)の結果を受け、市況が安定したものの、先行きは依然として不透明との見方を示した。景気刺激策の影響が薄らぎ始めた米国、不動産バブルが懸念される中国経済の動向にも注目していく必要があるという。
RBAが昨年10月から6回にわたり実施した利上げ効果により、物価は安定しているものの、世界情勢によっては豪州経済の状況は大きく変化する状況にもあるようだ。主要先進国の中では金融危機による景気低迷からいち早い回復を遂げた豪州だが、今後の見通しに関しては依然として不透明な状況が続いているともいえる。
■カギはCPI
三井住友銀行の林克彦・為替資金課長(オーストラリア)は、RBAが6月から3カ月連続で金利を据え置いた理由を、「発表前から指摘されていたようにCPIの数値が判断基準になった。インフレターゲット内に収まったことで金利水準が適切だと判断された」と説明した。
また、林・為替資金課長は、「RBAは9月の理事会でも金利を据え置く」と分析。金利を変更する要因が見当たらないことに加え、労働党が政権維持したとしても、8月21日の総選挙の結果を受けた直後に金融政策を変えることは、市場の混乱を招く恐れがあるからだという。
次回の利上げ時期については、「7〜9月期のCPIが発表される10月以降。年内に一度の利上げが現実的」と予測。ただ、世界情勢や豪州経済が安定を維持した場合、当分の間、金利が据え置かれる可能性もあるとみている。
豪州の政策金利は、08年3月に7.25%を記録。その後、金融危機の影響で、利下げを断行した。08年9月に7.0%、10月に6.0%、11月に5.25%、12月に4.25%、昨年2月に3.25%、4月に3.0%にまで低下。昨年10月からの6回の利上げを実施し現在は4.5%にまで上昇している。