オーストラリア  2010年8月19日(木曜日)
労働党の支持率アップ:大接戦の選挙戦終盤[政治]

ニールセンとニューズポール、ギャラクシーが総選挙日程の発表から5週にわたって実施した世論調査の結果、労働党の支持率が上昇したことが分かった。全有権者の17%を占める無党派層の支持率でも、連立野党は大きく後退。一時は支持率を高めた連立野党だが、選挙戦終盤を迎えて勢いを失いつつあるようだ。ただ、依然として支持率は混戦状態。今週末の投票日に向けた動きに注目が集まっている。地元各紙が伝えた。



第5週の全有権者の支持率では、連立野党が前週に比べ1.5ポイント下落の41.2%、労働党が同1.6ポイント上昇の39.0%となった。2週前に連立野党が優位に立った2党間比較でも、前週に続き労働党が支持率を上げた。

全有権者の17%を占める無党派層による各政党の支持率でも、連立野党の後退が顕著に表れた。労働党が同10ポイント上昇の24%になった一方、連立野党は同9ポイント下落の36%に落ち込んだ。2党間比較でも、労働党が同10ポイント上昇の55%、連立野党が同10ポイント下落の45%と立場が逆転した。

ギラード首相が総選挙の日程を発表した7月17日から毎週実施している世論調査は、各党の公約発表後に有権者の支持政党が大きく変化している。労働党は不法移民問題や党内不和を理由に支持率を落としたが、ここに来て再び回復し始めている。

第5週の世論調査結果をベースにした場合、労働党が86議席、連立野党が61議席を確保する。第3週時点では、連立野党が78議席を獲得して政権交代が実現する結果となっていた。

JWSリサーチ・ポールが2万8,000人を対象に実施した調査では、労働党が79議席、連立野党が68議席を確保する見通しだ。

■中小企業は不満

一方、中小企業を対象にした調査では、与野党が掲げる公約に対して不満を持っていることが分かった。

中小企業の役員らが加盟するSMEボードルームが、経営陣らが注目する政策を調査したところ、◇従業員解雇に関する法制度の公正化◇雇用関連の事務手続きの簡素化◇年金関連コストの縮小◇有給育児休暇制度の見直し◇雇用主への助言・支援制度の拡充――などが挙がった。

ただ、SMEボードルームのデニス会長は、「今回の総選挙では与野党ともに、雇用主の抱える問題に相応の注意を払っていない」と批判。特に、従業員解雇時の法改正や、雇用主への助言・支援制度の拡充に関する方針を明らかにするべきと訴えている。

調査ではこのほかにも、中小が安心して投資・事業拡大を行えるよう新政権にはより強固な経済政策を求めるとの声も上がった。また各州で異なる給与税については、「廃止あるいは一本化を図るべき」との要望も多く出ているほか、事務手続き簡素化の一環として、労働安全衛生や労働災害補償の面でも、全国一律の制度導入が望ましいとの見解を示した。

会計士の業界団体CPAオーストラリアも両党に対し、「中小企業の財務管理能力の向上に向けた支援体制拡充を選挙公約の1つに掲げるべきだ」と訴えている。

現在までに明らかにされた中小企業に関連する公約は、労働党が先月28日に発表した法人税の引き下げのみ。労働党は現行30%の法人税を28.5%に引き下げるとしており、今回の調査では61.2%が総選挙では法人税問題を重視すると回答している。

投票日まで残り数日。与野党ともに支持率拡大に注力している。最後の追い込みを迎え、どのような選挙キャンペーンを展開するか、見守っていく必要がありそうだ。



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