マレーシア 2010年8月19日(木曜日)
Q2の経済成長率8.9%:成長維持へ、外貨取引規制緩和も[経済]
マレーシア中央銀行は18日、4〜6月期(第2四半期)の国内総生産(GDP)成長率が前年同期比で8.9%になったと発表した。1〜3月期の10.1%から伸び幅がやや縮小したものの、市場の事前予測を上回る高水準を維持した。併せて発表した外貨取引の自由化により、国際貿易の活発化と事業環境の改善を後押しし、今後の成長につなげる狙いだ。
内需、外需とも堅調だった。内需の伸びは前四半期の5.3%から9.0%に拡大。活発な個人消費と公共・民間投資が支えた。外需を含む国内製造業の好調が個人消費を後押しした。民間投資の伸びは5.1%から7.9%に加速。公共投資の伸びも6.3%から6.9%へと拡大した。総固定資本形成の伸びは5.4%から12.9%へ大幅に拡大した。
供給面から見ると、製造部門は15.9%伸びた。前四半期の17.0%からやや減速したものの、全分野が堅調で高い成長率を維持した。サービス部門は7.3%伸びた。伸びは8.5%から縮小したものの、卸売り・小売り、金融・保険、運輸などが好調だった。
農業部門の伸びは6.8%から2.4%に減速。鉱業部門は2.1%から1.9%へとほぼ横ばい。原油生産は低迷したが、天然ガス生産の伸びでカバーした。
地元紙ビジネス・タイムズがエコノミスト19人を対象に行った事前調査では、GDP成長率の平均予測値は7.93%だった。
■FDIは47億リンギ
4〜6月期の対内外国直接投資(FDI)流入額は47億リンギで、1〜3月期の49億リンギからやや減少。グループ企業間の資金の出入りを調節した純流入額は18億リンギで、前四半期の2億リンギから大幅に増えた。
■下期も内需中心に高成長期待
中銀は今後の見通しについて「4〜6月期は内需改善と(アジア)域内を中心とする旺盛な外需に支えられてマレーシア経済は力強い成長を示した。民間部門の需要を背景に、引き続き力強く持続的な成長を維持するだろう」と指摘した。雇用情勢、消費者信頼感・景況感が安定しているのに加え、インフレ率も低く、政策も企業活動を後押しすると指摘した。ユーロ圏の財政問題などから「外需は成長が鈍化する可能性がある」としながらも、「域内需要が下支えする」と期待を示している。
■為替管理規制を緩和
中銀は併せて外国為替管理規則の自由化を発表し、即時適用した。国際貿易の効率化により、事業環境を改善させる。内容は3つ。
(1)居住者と非居住者との国際貿易・サービスのリンギ建て決済および外貨建て決済を可能にし、輸出入業者が国際貿易・サービスの決済通貨を自由に選択できるようにする。ただ、非居住者のリンギ建て決済は認定オフショア銀行の口座を通じて行わなければならない。非居住者は認定オフショア銀行かその海外支店でリンギへの両替と外貨ヘッジができる。
(2)居住法人は関連の非居住・ノンバンク会社から外貨資金を自由に借り入れることができる。企業内での外貨の国際間取引の制限をすべて撤廃する。実体経済部門の資金調達の柔軟性を引き上げるとともに、グループ内の資金管理を容易にする。
(3)居住者のリスク管理の効率を高めるため、認定オフショア銀行における当座預金口座取引のためのヘッジ制限を撤廃。認定オフショア銀行における居住者の当座預金取引に対する制限を全廃する。