タイ 2010年9月2日(木曜日)
7月の経済報告、投資好調:消費・生産は伸び鈍化[経済]
タイ中央銀行の月例経済報告(速報値)によると、7月は投資が今後の需要増を見込み、引き続き伸びたほか、観光客の増加でホテル客室稼働率が上がるなど観光業界が順調に回復している。一方で、民間消費、生産は好調が続くも伸び率は前月に比べ減速した。
民間消費指数(PCI、2000年=100、季節調整済み)の前年同月比伸び率は、前月の8.3%よりは減速したが、5.1%を記録し、好調を維持した。特に乗用車の販売が、納車待ちが出る程伸びている。
国内外の需要増に伴い、生産活動は堅調で、鉱工業生産指数(MPI、00年=100、季節調整済み)の同伸び率は16.3%。ただ、メンテナンスに伴う一部、石油化学工場の一時閉鎖、食品の原材料不足などで前月の21.9%から減速した。農業生産は、野菜、ゴムなどの価格が上昇。穀物生産量は前年同月比1.1%増加し、価格は44.5%上昇した。この結果、農家所得は46.1%増加した。
投資は前月に続き好調で、民間投資指数(PII、00年=100)の伸び率は22.1%だった。4カ月連続で伸び率が20%を超えた。電気・電子業界、自動車業界で国内外の需要増を見込んだ設備投資が増えたほか、バンコクを中心に住宅、商業施設の建設が増え、建設業界への投資が回復した。
■観光業が回復
7月の外国人観光客数は、前年同月比14.9%増の125万8,000人で、特に東南アジア、中国からの観光客が増加した。これに伴いホテル客室稼働率は6月の37.3%から46.9%に上昇。特に南部で大きく回復した。反政府デモが激化した5月には、稼働率が34.3%まで落ち込んでいた。
米ドル建て輸出額は前年同月比21.2%増の154億7,500万米ドルで、伸び率は前月の47.1%を下回った。価格上昇が続く農作物の中で、特にコメがベトナム産との価格競争で輸出額が伸びなかった。輸入額は36.5%増の162億6,600万米ドルで、自動車・車部品、食品の原材料の輸入が伸びた。貿易収支は7億9,100万米ドルの入超で、3カ月ぶりの赤字となった。5月と6月はともに20億万米ドルを超える貿易黒字を記録していた。
5月と6月に黒字を維持していた経常収支は11億3,400万米ドルの赤字に転じた。純資本流入は27億1,200万米ドルのプラスで前月の17億7,300万バーツから増加。総合収支は14億1,200万米ドルのプラスだったものの、前月の21億6,600万米ドルからは減少した。
消費者物価指数(CPI)上昇率(前年同月比)は3.4%と、前月の3.3%からわずかに加速。振れ幅の大きい生鮮食品とエネルギーを除いたコアCPI上昇率は1.2%となり、前月の1.1%からわずかに伸びた。
短期金利は、タイ中央銀行が7月14日、政策金利(翌日物レポ金利)を1.25%から1.50%に引き上げたことを受け、銀行間取引金利(同)が1.13%から1.27%に、1年物の定期預金金利は0.65〜0.75%から1.00〜1.25%にそれぞれ上昇した。対米ドル・バーツ相場は平均32.47バーツから32.33バーツに上昇した。