オーストラリア 2010年9月7日(火曜日)
資源発展のカギは外資に:WA州バーネット首相が発言[資源]
西オーストラリア(WA)州のバーネット首相はこのほど、国内で事業展開する石油大手に関して、「資源業界のいっそうの発展のためにはプロジェクトの権益を最大で20%程度、中国をはじめとする海外資本に放出するのが望ましい」との考えを示した。ただ、関連業界では非現実的との声が上がっている。オーストラリアン・ファイナンシャル・レビューが伝えた。
バーネット首相は、海外企業に多くの権益を売却して業界の発展に寄与しているプロジェクトの一例として、同州で25年前から推進されている北西大陸棚液化天然ガス(LNG)開発計画を挙げた。
同計画では石油大手ウッドサイド・ペトロリアムがオペレーターを務め、シェブロン、シェル、BHPビリトン、BPの大手が参画。このほかに、ジャパン・オーストラリアLNG(MIMI:三井物産と三菱商事の合弁会社)も16%の権益を保有している。
バーネット首相は、「北西大陸棚LNG開発計画のビジネスモデルが豪州にとって北東アジアとの提携強化に不可欠だ」との見方を示し、企業による外資受け入れシステムの構築に政府も参画するべきとの考えを明らかにしている。同首相が中国を訪問したときには、政財界トップらが、北西大陸棚のビジネスモデルに注目していたという。
■業界では反対論も
ただ、業界関係者はバーネット首相の提唱するビジネスモデルの採用に前向きではない。
シェル・オーストラリアのピッカード取締役副社長は、自社がクイーンズランド州の炭層メタンガスプロジェクトなどで最大50%の権益を放出している事実に触れた上で、「顧客の考え方はさまざまだ」と指摘。投資目的の出資者もいれば、純粋に安定した供給のために出資する顧客もいると述べた。
豪石油生産・掘削協会(APPEA)のロビンソン代表もピッカード取締役副社長と同じ考えで、「(外資の受け入れ率は)あくまで企業間で決めるべきこと。業界全体としての姿勢を決める必要はないし、政府が判断することでもない」とコメントしている。
■州内では幾多の課題も
また、WA州ではここ数年、ガスへの過度な依存が問題視されている。過度なガス依存から、州内供給分の価格が高騰。ガス価格は過去1年半で、1ギガジュール当たり3〜4豪ドルだったものが、8〜9豪ドルまで高まった。現在、アジア向けの輸出用より高い価格でガスを供給しているという。
同州では、電力市場や州営電力事業のあり方を見直すべきとの意見も出ている。バーネット首相は石油大手に対し、「LNGはあくまでWA州の資源である」と述べて、州内供給を優先するようにも示唆。資源業界の発展のために、積極的に外国資本を受け入れる前に、解決すべき問題が多々あるともいえそうだ。