シンガポール  2010年9月7日(火曜日)
三菱重、プラント受注強化:日米欧に次ぐアジア拠点設立[化学]

三菱重工業は6日、シンガポールに機械・鉄鋼事業関連の事業会社「MHIインダストリアル・エンジニアリング&サービシズ(MIES)」を10月1日付で設立すると発表した。新会社は環境・化学プラント事業部の管轄分野を中心に営業・サービス拠点として機能する。東南アジア、中東でエンジリアリング関連会社間の競争が激化する中、現場に近い場所で営業力を強化し日欧米に次ぐ4拠点目として受注増を目指す。

新会社は11月1日に営業を開始する。資本金は1億5,000万円。機械・鉄鋼事業本部に属する3部門のうち、環境・化学プラント事業部が手掛けるプラント案件を中心に、石油・ガス生産設備、排煙脱硫装置、二酸化炭素(CO2)回収装置などのエンジニアリング事業を手掛け、設計・調達・建設(EPC)契約案件の遂行機能を持つ。

三菱重工業の広報担当者は6日、NNAの取材に対し「新会社は既存の現地法人シンガポール三菱重工業が100%出資する。シンガポールは東南アジア各地、中東へのアクセスが良く、IT(情報技術)インフラも整備され優秀な外国人の人材も確保しやすいことから新会社の設置場所に選んだ。EPCの中でも特に調達、アフターサービス機能などを中心に手掛ける」と話した。

アジア地域の著しい経済成長や人口増加に伴い、石油・ガスプラントや火力発電、燃料製造、環境装置など同事業部が管轄する製品・サービスの需要も拡大基調にある。その中でエンジニアリング業界では日米欧だけでなく、台頭しつつある韓国勢や成長力を増している中国勢も加わり競争激化の様相を呈している。三菱重工業ではこれまで、米州、欧州などを除く海外の環境・化学プラント業務は横浜市にある環境・化学プラント事業部がカバーしていたが、アジアで商談発掘からプラント建設・完成まで市場に密着した顧客対応力・機動力を強化するため、新会社立ち上げを決めた。

■4年後に人員5倍

営業開始時の人員体制は日本人とシンガポール人スタッフ合わせて11人。4年後には50人規模に増員する計画だ。初代社長は西沢降人機械・鉄鋼事業本部副事業本部長が兼務する。事業規模に応じて増資も視野に入れている。「当面は環境・化学プラントに重点を置くが、将来的には交通インフラなど機械・鉄鋼事業本部に属するほかの事業部の業務にも対象範囲を広げたい」(同担当者)考えだ。

海外向け環境・化学プラント事業については、米州向けが米国統括会社の米国三菱重工業の環境システム事業部、欧州、アフリカ、ロシア・周辺諸国向けは欧州統括会社、欧州三菱重工業のアムステルダム支店が対応している。新会社設立に伴い、日本、シンガポール、米国、欧州の4拠点体制で世界市場開拓を目指す。

シンガポール三菱重工業はグループ全般のマーケティングや営業などを手掛けるが「新会社設立に伴う業務への影響はない」(同担当者)という。

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