タイ 2010年9月7日(火曜日)
貯蓄なし6割、好況反映せず:低所得層の家計状況、私大が調査[経済]
私立アサンプション大学(Abac)と米国コーネル大学の学生らはこのほど共同で、1カ月あたりの収入が1万バーツ以下の就労者988人を対象に家計調査を実施した。調査結果では貯蓄がない者が3分の2を占め、景気が拡大する中でも低所得層は依然として逼迫(ひっぱく)した経済状態に置かれていることが明らかになった。
同調査は全国12県の25〜60歳、988人を対象に実施した。回答者の33.2%が1カ月の収入が5,000バーツ未満、66.8%が5,001〜1万バーツだった。
「過去3カ月の収入は増えたか、減ったか」との質問では、回答者の55.7%が「減った」、38.7%が「変化なし」、5.6%が「増えた」と答えた。一方、同期間の支出は、60.2%が「増えた」、25.0%が「変化なし」、14.8%が「減った」と回答。収入減少・支出増加の傾向は、定期収入がある者より定期収入がない者で顕著だった。
現政権への信頼感は上昇したか、低下したかとの質問では、定期収入がある者では◇上昇した=18.6%◇変化なし=52.6%◇低下した=28.8%――。また、定期収入がない者では◇上昇した=12.7%◇変化なし=46.6%◇低下した=40.7%――。経済的に不安定な立場に置かれた者ほど政府への信頼感が低くなるという傾向が示された。
調査チームは、「国民の大多数を占める低所得層が経済発展の恩恵を受けられない構図は、誰が政権を取ろうと依然として変わらない」と強調。政府は就労・教育機会格差、地方と都市の経済格差などを是正し、社会的公正を実現するために努力するべきと指摘した。