ベトナム・インドシナ  2010年9月8日(水曜日)
貸付残高の伸び、年内停滞か:10月施行の融資上限規定の影響も[金融]

商業銀行の貸付残高は年内伸びない──。政府が与信増を煽るなか、業界関係者はこう口を揃える理由として、企業の信用悪化や、10月に施行される融資上限規定などを挙げている。7日付サイゴンタイムズが報じた。

民間商銀最大手のアジア・コマーシャル銀行(ACB)のファム・チュン・カン副頭取によると、ACBは今年の貸付残高の伸びを54%とする目標をたてたが、8月末時点での伸び率は30%にとどまっており、目標達成は難しいという。

カン副頭取は、「ACBは融資を加速させたいが、返済を期待できる信用力のある企業が少ない」と説明。また融資対象となる優良企業が高金利を敬遠しているだけでなく、世界同時不況の余波で生産を加速させても販売増につながらないことを認識しているため、商銀の融資が伸びないとした。

■融資規制で商銀身動きとれず

ベトナム国家銀行(中央銀行)は、5月に公布した中銀通達13号(13/2010/TT─NHNN)で、商銀の貸付残高の上限を預金残高の80%とする新たな規定を定め、10月1日付で施行するが、これにより商銀の貸付残高の伸びが年内停滞すると予想されている。

フオンドン銀行(オリエント・コマーシャル・バンク=OCB)のティエン・バン・トゥアン頭取は、この融資上限規定が10月に施行されれば、その後の融資強化が困難になると述べる。同行は預金残高を伸ばそうと預金金利を引き上げたほか、預金者への賞金として合計で75億ドン(38万5,000米ドル)を付与するキャンペーンを始めているが、預金残高の伸びは十分ではないようだ。

こうしたなか、銀行関係者からは、同規定の施行延期を望む声が上がっている。

■貸付残高は停滞、両通貨で

貸付残高は今年これまで、ドン建ては高金利のため伸びが減速。米ドル建てはドン建てに比べて低金利のため伸びたものの、商銀の米ドル保有残高が減少傾向にあり、年内は伸びが鈍化するとみられている。

中銀のホーチミン市支店によると、同市における商銀の貸付残高の伸びは今年これまで11.3%で、米ドル建てが28.5%だったのに対し、ドン建ては5.8%にとどまっているという。

なお政府は今年の貸付残高の目標を25%に設定している。

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